阪神・ドラ1立石 長嶋以来の個人9冠総なめだ「全部のタイトル争う選手に」 背番号9「9番といえば立石ってなれば最高」
阪神は15日、大阪市内のホテルで新人選手入団会見を行い、3球団競合の末にドラフト1位で入団した立石正広内野手(22)=創価大=は背番号「9」をつけることが決まった。攻守で大きなポテンシャルを秘める未来のスター候補は、首位打者やゴールデングラブ賞、新人王やリーグMVPなど「個人9冠」を成し遂げるような選手に成長することを誓った。
真新しいタテジマのユニホームに袖を通した立石は、少年のように目を輝かせた。「昨日甲子園歴史館を見学して、着たくてたまらなかったので、うれしいです。かっこいい」。憧れ続けたプロの世界にたどり着き、猛虎軍団の一員になった瞬間をかみしめた。
黄金ルーキーに与えられた背番号は「9」。パッと思いつくイメージはマートンだった。NPB6年で通算1020安打を誇る安打製造機。「バッティングも器用で素晴らしい選手」と当時小学生ながら、強く印象に残った選手だった。
長打力が最大の売りだが、打ち取られるのが大嫌いだという立石。マートンのように打ちまくるのが理想だ。来日1年目には当時NPB記録のシーズン214安打を放つなど、通算4度、打率3割を超えた最強助っ人を追いかけ「今は本当に3割を打つのが大変だと思うけど、目指したい」と最多安打や首位打者、最高出塁率も目標だ。大活躍の後、いずれは「9番といえば立石ってなれば最高」と自分の番号にすると誓った。
打つだけではない。学生時代は、主に二塁と三塁を守った。ただ、藤川監督は「大いにどこのポジションでも可能性を持ってもらおうと思います。出場機会を取ってほしい」と幅広い起用を示唆。立石自身も「変化を恐れてたら成長はない。柔軟に対応できたら」と話すように、現在外野の守備練習にも励んでいる。
全てにおいて意識が高い。「セールスポイントはバッティングと言いましたが、打撃を問わず全部のタイトルを毎回争う選手になりたい」。ゴールデングラブ賞や、ベストナインといったタイトルも狙っている。
現在チームには手本となる選手が多くいる。話を聞きたい選手には「日本を代表する選手」と佐藤輝の名前を挙げた。今季40本塁打、102打点の打撃2冠に輝いたスラッガーのように豪快なアーチと、勝利に導く打点にもこだわりを持っていく。
1年目の目標には同じトレーニング施設にも通い、親交のある森下以来となる「2桁本塁打」を掲げ「絶対にクリアしたい」と力を込めた。ルーキーイヤーから活躍すれば見えてくるのが新人王。「数少ない選手しか取れない」と獲得にも強い意欲を示している。
会見中は指揮官の横で終始緊張の面持ち。ただ、理由は「鼻水止まらなくて」と笑う大物っぷりだ。攻守で活躍し、多くのタイトルを狙う虎のスター候補。将来的にはMVPに輝き、チームを日本一に導く。
◆NPB唯一の9冠 これまでのNPB史上で新人王、MVP、ベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得し、シーズンの打率、本塁打、打点、安打数、出塁率でリーグトップに立ったのは長嶋茂雄(巨人)の1人。また、新人王とMVPを獲得した野手は中西太(西鉄)、長嶋茂雄、張本勲(ロッテ)、村上宗隆(ヤクルト)、石毛宏典(ダイエー)の5人。その中で8冠は中西太と村上で共にゴールデングラブ賞を除く新人王、MVP、首位打者、本塁打王、打点王、最多安打、最高出塁率(最多出塁数)、ベストナイン。張本は本塁打王とゴールデングラブ賞を除く7冠、石毛は打撃主要タイトルはなくゴールデングラブ賞10回、ベストナイン8回選出されている。()内の球団は現役、最終。
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