阪神・中野 7点猛攻仕上げ「みんなでつないだ」満塁一掃打 同学年の親友・岡本とマルチ競演
「巨人11-10阪神」(13日、東京ドーム)
大歓声が降り注ぐダイヤモンドを阪神・中野拓夢内野手は全力で駆け抜けた。三塁に到達すると、ベンチへ向かって両手を上げる。乱打戦の中、一時勝ち越しの一打を放った。
「みんなでつないだチャンスでしたし、原口さんの気迫とか打線の流れに乗って、打つことができたと思います」
五回、3点差を追いつき、なおも2死満塁の大チャンス。左キラー・高梨の甘く入った変化球を捉え、中堅の横を抜ける走者一掃の適時三塁打を放った。「甘くきたボールを仕留めようっていう意識だけだったんで」。今季1イニング最多となる7得点の猛攻を中野が仕上げた。
敵チームではあるが、同じグラウンドでプレーできることがうれしい。5月6日の巨人戦(東京ド)で、悲劇は起きていた。中野がバントをし、一塁を駆け抜けた際、それた送球を捕りにいった一塁手の岡本と接触した。岡本は左肘の靱帯損傷の大けが。長期離脱を余儀なくされた。
同学年で、23年のWBCでは、ともに日の丸を背負った仲間。自らも激しい接触をしていた中野だが、それよりも岡本の状態が心配だった。試合直後は気遣い、翌日に連絡。謝罪した。すると「あれはしゃあないよ」と言葉をもらった。
その1週間後には関東遠征の合間を利用し、食事に出かけた。元々、東京へ行く際は、家に行くこともあり、一緒にゲームをして楽しんでいた仲。「野球の話をすることはないから、雑談みたいな」。張り詰めるシーズンの中で、二人は心を許し合える関係だ。この日も、試合前練習中に笑顔で言葉を交わした。互いにマルチ安打の活躍で、レギュラーシーズン最後の伝統の一戦を大いに盛り上げた。
シーソーゲームに敗れはしたが、逆転されても食らいつく姿勢は見せた。「取られたら取り返す展開が、チームとしても大事。そういうところをしっかりやっていけたら」。中野は強い気持ちを持って、目の前の戦いに挑んでいく。
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