阪神・石井 プロ野球史上実質ナンバー1防御率へ 浅尾、佐々木、球児も超える異次元の「0・18」

 阪神の石井大智投手(28)が、NPB史上“防御率ナンバーワン”となる可能性が出てきた。12日現在の防御率は0・18。今の数字を維持すれば、防御率0・00を除いたプロ野球史上最良となる(1936年秋以降)。NPB最長の連続無失点記録は、48試合にまで伸びて継続中。強力ブルペンの頼もしい支柱が、新たな勲章を手に入れようとしている。

 石井は今季51イニングを投げ、失点&自責点とも1しかない。自身3試合目の登板となった4月4日の巨人戦(東京ド)で九回2死二塁から甲斐に中前適時打を喫した。現状これが、相手に許した最初で最後のホームインだ。

 今季通算51試合で、防御率0・18。これは、防御率「0・00」つまり自責点0のままシーズンを終えた投手を除くと、プロ野球90年の歴史で最良となる。

 昨季までの1位は、1957年に中日の田原藤太郎が記録した0・29だ。とはいえ登板はわずか11試合で、投球イニングは30回1/3に過ぎず、失点も4あった。2012年ロッテの南昌輝による0・36がこれに続く。

 近年で出色だったのが、2023年の中日マルティネス(現巨人)だ。48試合に投げ防御率0・39。投球回は46回2/3で自責点2と抑え込んだ。今季の石井は、これも上回る勢いだ。

 過去の名リリーバーと比べると、石井の活躍はさらに輝きを増す。年間50試合以上に救援登板した投手のうち、最良の防御率は2011年浅尾拓也(中日)の0・41。「大魔神」の異名を取り、1998年に横浜(現DeNA)を日本一に導いた佐々木主浩は、今季の石井と同じ51試合に登板し0・64だ。現阪神監督の藤川球児の自己最高は2008年の0・67。そうそうたる名投手たちも、今季の石井には遠く及ばない。

 試合ごとの登板イニングが少ない救援投手にとって、防御率を安定させることは極めて難しい。現在は登録抹消中の石井が1軍に戻り、仮に1イニングで自責点1だとすると、防御率は一気に0・35にまではね上がってしまう。緊張の場面で顔色一つ変えずマウンドへ向かい、スコアボードにゼロを刻み続けた。地道に歩みを進めてきた頼れる28歳は、気がつけば途方もなく遠い場所までたどり着いていた。

 ◆防御率0・00 1軍公式戦に登板し、自責点0でシーズンを終えた投手は昨年まで延べ638人いる。最長イニングは2023年福田俊(日本ハム)の26回1/3で、今季の石井のおよそ半分に過ぎない。次いで岩本輝(阪神)が12年に記録した、18回2/3。全638人のうち、10イニング以上の投手は10人しかいない。51イニングで自責点1という今季の石井は、事実上の「NPB史上防御率ナンバーワン」といえる。

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