新人監督V藤川阪神のウラ側 復活組、新戦力が力発揮した鉄壁の投手陣 将の経験に裏付けされたメリハリ起用

 阪神・才木
 阪神・村上
2枚

 阪神が2年ぶり7度目のセ・リーグ制覇を達成した。就任1年目の藤川球児監督(45)が成し遂げた球団史上初となる新人監督V。NPB史上最速で歓喜のゴールを迎えた藤川野球を連載「球児虎 火の玉V 凡事徹底の裏側」でひもとく。第3回は投手編。

  ◇  ◇

 今年も投手陣は鉄壁を誇った。その要因は藤川監督のメリハリ起用にある。安藤投手チーフコーチは「選手を思って、成績が出るようにうまく使ってくれた。休ませた方がいい時は休ませましたし、しっかり働いてもらう時は働いてもらった。メリハリを大事にされていた」と話す。

 先発は村上と才木のダブルエースが引っ張り、ともに2桁勝利を達成。前半戦は2人にカード頭を託すことで、大型連敗は交流戦に喫した7連敗の一度だけ。藤川監督は長いイニングを任せるのではなく、五回や六回での交代を決断することもあった。指揮官のコンディション管理により、2人は後半戦もバテることなく、タイトルを争う活躍を続けている。

 2人以外のメンバーは開幕から様変わりした。富田、門別、ビーズリーがピリッとしない中、奮闘したのは新戦力の2人だ。デュプランティエは徐々に本領を発揮し、6月の月間MVPを受賞。ドラフト1位・伊原も中継ぎから先発転向に応え、6月までに5勝をマークした。

 そんな中、実力者たちも戻ってきた。故障で出遅れていた大竹は5月、復活を目指す伊藤将は6月、手術明けの高橋は7月に1軍に昇格。期待通りの働きを見せると、酷暑の夏は「7人ローテ」で、登板間隔を空けながら余裕たっぷりに乗り切った。安藤コーチは「村上、才木の2人を軸として、復活組、新戦力がうまく力を発揮してくれた」とうなずいた。

 中継ぎ陣は、岩崎、石井、及川、湯浅、桐敷を中心に安定感抜群。藤川監督はブルペン運用について「防御率1点台を保たせる」と話しており、試合だけでなくブルペンの球数も管理。日々、コーチ陣とミーティングを重ね、思い切ってベンチ入りメンバーから外す試合も珍しくなかった。タイトルを争う及川以外の4人はリフレッシュを兼ねて登録抹消するなど、コンディションに細心の注意を払った。一方、投手の状態を見てイニングをまたがせることもあり、リリーフ出身監督らしい豊富な経験に裏付けされたタクトが光った。

 強化にも余念はない。7月にはドリスとハートウィグを獲得。優勝争い真っただ中でも積極起用し、ブルペンの「ビルドアップ」に努めた。昨年の現役ドラフトで巨人から加入した畠も優勝直前の8月下旬に1軍昇格。顔ぶれを変えながら、今季ホールドを記録した投手は18人にものぼった。

 忘れてはいけないのが頼もしい捕手の存在だ。優勝インタビューで藤川監督は坂本と梅野の名前を挙げ、「2人が精いっぱいやってくれたので、どんな投手が出ても素晴らしい成績を残せた。キャッチャーのおかげ」とねぎらった。経験十分の2人の献身があったからこそ、リーグ屈指の投手陣を構築することができた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス