V導いた異次元の阪神投手陣 昨季から顔ぶれガラリでチーム防御率断トツの最強ブルペン 2012年の巨人超え

 「阪神2-0広島」(7日、甲子園球場)

 異次元の投手力が、阪神を優勝へと導いた。残り試合があるとはいえ、チーム防御率2・12は2リーグ分立後8位に該当する。これを上回る過去の延べ7チームを探すと、直近は1962年阪神の2・03。実に63年前までさかのぼらなければならない。

 年間143試合となった2015年以降、昨季までのチーム防御率1位は、24年巨人の2・49。今季の阪神は、軽々としのいでいる。少し範囲を広げ、毎年140試合以上となった2001年以降のプロ野球全体(2020年は新型コロナウイルス流行のため120試合)で見ても、最良は12年巨人の2・16。阪神は更新できそうだ。

 現在チーム防御率は2台点になったとはいえ、今季は長らく1点台を堅持した。開幕から実に97試合目の8月2日ヤクルト戦まで続けた。これは阪神では、全130試合を終え1・77だった1956年に次ぐ長さだった。

 被本塁打はわずかに42本で、このペースならシーズン47本となる。これは2リーグ分立後7位タイ。これ以下の数字は、1958年西鉄(現西武)の39被本塁打まで見当たらない。もちろん現在の試合数となった2015年以降で見ても、2024年阪神の51をしのぎ最少となりそうだ。

 ブルペン陣の能力が、今年もチームの屋台骨を支えた。救援防御率1・93は、阪神では56年1・63に次ぎ2リーグ分立後2度目の1点台となる可能性がある。注目すべきは顔ぶれの変化である。リリーフ登板数のベスト10を見ると、昨年のゲラ、漆原、岡留、富田、浜地、加治屋の6人が、今季は圏外へ(浜地、加治屋は移籍)。代わりに及川、湯浅、岩貞、ネルソン、ドリス、工藤、ハートウィグの7人が食い込んだ。合わせて13人も入れ替わった形だ。故障や不振に陥ったり、退団する投手が出ても、代役が絶え間なく現れる。救援陣は弱体化どころか、力強さを増していた。

 今季2桁勝利を挙げているのは、12勝の才木と11勝の村上と現状2人しかいない。このまま終われば、阪神がセ・リーグ優勝を果たした年では最少だ。それも大勢に影響を及ぼさない。ジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之のJFKに始まる、伝統のリリーフ大国。今や「お家芸」ともいえるリリーフ陣の奮闘が、2年ぶりの歓喜をもたらした。

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