阪神・石井39試合連続0封 藤川球児超えセ・リーグ新&プロ野球タイ記録「素直に喜びたいな」 マジック2減って「26」
「広島0-2阪神」(13日、マツダスタジアム)
猛虎の歴史に新たな伝説を刻んだ。阪神の石井大智投手(28)が九回に登板し、1回を無失点に抑えた。39試合連続無失点で、現監督の藤川球児を超えるセ・リーグ新記録を達成し、平良海馬(西武)のプロ野球記録に並んだ。今季6セーブ目で防御率0・21。巨人が敗れ、優勝マジックは26となった。15日からの巨人3連戦(東京ド)でさらに覇権奪回へ加速する。
あと一人コールが敵地に響く。石井は最後のアウトを取ると、マウンド上で力強く拳を握った。一つの記録を塗り替えた右腕。試合後、セ・リーグ記録として数字を超えた、藤川監督と笑顔で記念撮影。偉業達成をかみしめた。
「投げている時はそんなこと(記録)は考えてなかったですけど、監督と写真を撮らせていただいている時に、すごく実感が湧いた。記録的には素直に喜びたいなっていうところはあります」
2点リードの九回、記録をかけてマウンドに上がったが、いつも通り目の前の打者に集中していた。先頭から中村奨、ファビアンと連続三振。2死から小園に中前打を許したが、最後は末包に対し、2ストライクから渾身(こんしん)の151キロで空振り三振に仕留め、試合を締めた。
指揮官を超え、日本記録に並んだ。試合後には「おめでとう。この先もまだ試合はあるから、また頼む」と言葉をかけられたという。記録は素直に喜んだが、思いも明かした。「監督との数字は、比較にならないと思う。通してやることがすごく難しい。時間が空けられた分、回復期間はいただいたので」。その言葉の意味は2カ月前にあった。
6月6日のオリックス戦(甲子園)。頭部に打球が直撃し「脳振とう」と診断された。約1カ月の離脱。その期間で休むことができたということだ。ただ、離脱前の時点で20試合連続無失点と抜群の安定感を誇っていたことも間違いない。
離脱も一つの転機だった。試合を客観的に見ることによって、改めて直球の大切さを認識した。「今年の最初は感覚がよくなかったので、重心の位置を変えようと思った」。安静にすることも大事だったが、体は自然と動いた。
フォームを改良し、しっくりきていなかった部分がかみ合った。実際この日も13球中、10球が直球。「今までよりも力が伝わっているボールが投げられている」。復帰後は、より自信を持って腕を振ることができている。
チームとしては雨での小休止もあったが、真夏の9連戦を勝ち越しで終えた。圧巻の3奪三振での記録達成にも「ちょっと甘い部分があったので、そこは次に向けて修正したい」と、すぐに視線を先に向けた。15日からは敵地で2位・巨人との直接対決。右腕がゼロを並べ続け、優勝へのマジックを一気に減らす。
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