阪神・ハートウィグ 医者志した異色の経歴持つ“ドクターK” 奪三振率12・55、最速156キロ中継ぎ右腕

 阪神の新外国人、グラント・ハートウィグ投手(27)=前メッツ傘下3Aシラキュース=が28日、兵庫県西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。最速156キロでサイドスロー右腕は、マイアミ大学では微生物学を専攻し、医者を志した異色の経歴を持つ“ドクターK”。持ち味のスイーパーで三振の山を築き、優勝マジック点灯目前のチームをさらに加速させる。

 真新しい82の背番号のユニホームに袖を通し、キュートなハートポーズを決めてはにかんだ。和やかな雰囲気で進んだ入団会見だったが、勤勉なハートウィグの目は覚悟に満ちていた。「タイガースファンの熱い応援の中で投げられるのは楽しみ。最高のパフォーマンスを届けられるように頑張っていきたいね」。新天地でのプレーを思い描き、目を輝かせた。

 米国出身の27歳は異色の経歴を持つ。マイアミ大では医師を志したが、卒業後はプロ入りを決断した。「プロとして野球をする時間は本当に限られている。なかなかできないし、それができればクールだからね」。21年にメッツと契約し、23年にはメジャーデビューを果たした。

 武器となるのは196センチの長身から投じるスイーパーだ。「自信のある球種。必ず空振りを取れなくても、バットの芯を外す意味で有効」と胸を張る。メジャー通算では42回で19四球、8死球の荒れ球だが、今季マイナーでは奪三振率12・55を誇り、“虎のドクターK”として期待される。

 優秀な頭脳で分析力にたけていることも魅力の一つだ。「自分の数字を研究することも大事。打者を分析する上でデータなどを勉強してきたことが生かされる」。27日のDeNA戦(甲子園)はバックネット裏で観戦。「いい野球をしているよ。一球一球全力で取り組んで、全員同じ方向を向いて野球をしている」と舌を巻いた。

 チームは2位・巨人に10ゲーム差を付け、首位を独走中。29日にも優勝マジックが点灯する可能性がある。それでも投手陣の整備に抜かりはない。ゲラは開幕直後から浮上のきっかけをつかめないまま2軍暮らしが続く。藤川監督も以前から右の中継ぎを課題に挙げていた。体力の消耗が著しい夏を乗り切るため、最速156キロ右腕に白羽の矢が立った形だ。

 24年まではメッツ傘下3Aに所属。DeNA・藤浪ともプレーし、「彼のえげつない剛速球をまた見られるかと思うと非常に楽しみ」と投げ合いを心待ちにする。「与えられた役割をこなしてチームの勝利に多く貢献するため、全力を尽くすだけ」と新助っ人右腕。歓喜の秋に向けて、頼もしいVの使者が加わった。

 ◆グラント・ハートウィグ(Grant Hartwig)1997年12月18日生まれ、27歳。米国出身。196センチ、106キロ。右投げ右打ち。投手。マイアミ大を経て、21年にメッツと契約。23年6月19日のアストロズ戦でメジャーデビュー。メジャー通算32試合で5勝2敗2ホールド、防御率5・14。

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