阪神・才木 今季2度目の完封 坂本とのコンビで116球「本当にいいテンポでいけた」 1970年以来チーム21完封

 完封勝利を飾り、佐藤輝(8)らナインと喜びを分かち合う才木(右)=撮影・山口登
 才木(右)が完封勝利を決め、喜ぶ坂本(撮影・山口登)
 9回、宮崎を二ゴロに打ち取って完封勝利を飾り、坂本(左)と喜びを分かち合う才木(撮影・立川洋一郎)
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 「阪神2-0DeNA」(26日、甲子園球場)

 プロ野球は各地でナイター6試合が行われ、後半戦がスタートした。阪神は“開幕投手”の才木浩人投手(26)が今季2度目の完封を無四球で飾って8勝目を挙げた。チームの無失点勝利は21度目。22完封を記録した1970年以来55年ぶりの快挙となった。後半戦開幕を快勝し、貯金を今季最多タイの19とした。

 大きな拍手と「才木コール」に後押しされ、九回のマウンドに上がった。最後に宮崎を二ゴロに打ち取ると、自然と頬が緩む。才木が力強く拳を握り、坂本と抱擁した。

 お立ち台に上がると大きな笑顔で虎党を見上げ、「最高でーす!」。今季2度目の完封勝利。苦しんだ前半戦から一転、後半の“開幕投手”を任され、9つのゼロを並べて進化を証明した。

 「すごく良かった。誠志郎さんにリズム良くやってもらいましたし、本当にいいテンポでいけた」

 2度のピンチを切り抜けた。初回先頭の桑原に痛烈な右前打を浴び、2死三塁で4番・牧を迎えたが、低めの直球で見逃し三振を奪った。六回も再び2死三塁を招き、牧と対峙(たいじ)。勝負球のフォークが高く浮いた失投。浜風に乗った打球が中堅後方へ伸びたが、フェンス手前で近本のグラブに収まった。

 試合前時点で計18失点のうち、六回に5失点、七回に6失点と集中していた。「そういうところをしっかり切れて、最後まで投げられたのは良かった」。前回登板から修正したポイントをつかんで離さなかった。

 7月に入ってから直球の調子が良くなかった。それでも自身のスタイルを貫くため、直球にこだわり練習を重ねた。「監督と投手コーチとアナリストの方と話をしながら映像を見て、修正ポイントがあった」と自身の投球を改善。「真っすぐは(ストライク)ゾーンで勝負できている。思い切っていけているし、カウントも常にいい状況で攻められていた」。わずか4安打で今季自己最多9奪三振、初の無四球と結果につなげた。

 長いイニングにもこだわりたかった。前半戦は15試合で7回以上の登板が5回。「リリーフの方に負担をかけているのは申し訳ない」。4月1日のDeNA戦以来、今季2度目のバッテリーを組んだ坂本から「おまえが長いイニングを投げなかったら、中継ぎが疲れるやろ」と何度か軽いゲキを受けたこともあった。

 「開幕で(坂本と)組んで、DeNAに打たれて負けちゃったところなんで。誠志郎さんと絶対勝ちたい思いもあった」と強い思いでDeNAにリベンジを果たした。

 1970年以来となるチーム21完封を記録した。「いいスタートを切れた。チーム的にもすごくいい勝ち方ができたと思うので、ここから乗っていけるように」と才木。快投で猛虎無双の先陣を切った。

 ◆才木、今季の投球数メモ 才木が116球で今季2度目の完封。前回の完封時(5月20日)では129球を要したが、この日は今季最多の9奪三振とともに初の無四球と効率的なピッチング。ここまでは最短の5イニングで降板しながら、100球を超えることが2回(5月6日、7月8日)あるなど、球数が多くなる傾向が目立っていた。今後も球数を抑えることができれば、長いイニングを投げ切るシーンが増えてくるのは間違いない。

 ◆今季21回目の完封勝利 才木の完封で、チームとして今季21回目の無失点勝利。近年では2022、24年に20完封(ともに143試合)を記録したことがあるが、21完封以上は1970年に22完封(130試合)をマークして以来、55年ぶりとなる。なお、2リーグ分立の1950年以降、チーム完封勝利の最多記録は1965年の32完封(140試合)。

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