阪神・藤川監督 バント失敗の才木に苦言「投げる以外もやらないといけない」勝敗分けた高橋宏との差

 「阪神0-6中日」(16日、甲子園球場)

 阪神・藤川球児監督(44)が、三回無死一塁で送りバントを決められなかった才木浩人投手(26)に苦言を呈した。相手先発の中日・高橋宏が六回無死一塁から犠打を決めて先制点を呼び込んだ点を引き合いに出し、「野球のゲームというところでは、投げる以外、セ・リーグに関してはやらないといけない」とし、投球面以外でも成長を促した。

 才木の復調を感じたからこそ、きっぱりミスを指摘した。首位を独走する虎が、5位・中日相手に7月初となる連敗。藤川監督は勝敗を分けたポイントに才木のバント失敗を挙げた。

 「すごく良くはなっていましたけど、野球のゲームとして、才木はバントがうまくできず、高橋投手はバントを決める。野球のゲームというところでは投げる以外、セ・リーグに関してはやらないといけない」

 甲子園にため息が漏れたのは三回だ。先頭・梅野が粘りながら右前打で出塁。上位打線に得点圏でつなげたかったところで、才木は2球目、3球目をファウルし、4球目もファウルで痛恨のスリーバント失敗。さらに続く近本のハーフライナーが二直併殺となり、先制点を奪えなかった。

 一方、五回2死まで完全投球を演じていた才木は、0-0の六回無死一塁から高橋宏にバントを決められてしまう。岡林は二ゴロに打ち取り2死としたが、田中にフルカウントから四球を与えると、3番・上林に決勝の2点二塁打を浴びた。

 「田中君のところで決められたら良かったというところですけど、結局、カウント不利。上林さんに2ボールからっていうカウントにしちゃったので」。初めて訪れたピンチで粘れず、右腕は悔やむしかなかった。

 直後の攻撃で才木は代打を送られ、6回3安打2失点で5敗目。高橋宏との“ヒロト対決で”甲子園初勝利となる完封を献上する形となった。

 それでも才木の復調は後半戦へ向けて大きな収穫だ。過去2試合はいずれも白星をつかみながら球数がかさみ、5回止まり。中7日で迎えたこの夜は5回まで61球。藤川監督が「才木も良かったですよね」とたたえたように、本来の姿を取り戻しつつある。

 才木は「もちろん2点取られたという反省はありますけど、この先につながりそうなピッチングはできた。プラスに捉えて、次の登板に向かえたらいいなと思います」と勝負の後半戦を見据えた。

 チームは7月勝ち越しへ2夜連続の足踏み。2位・巨人と8・5差となったが、まだ貯金は17ある。試合後の指揮官も前だけを向いていた。どっしり戦い、同一カード3連敗を阻止する。

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