阪神・森下 爆肩バックホーム「絶対刺してやろうと」九回同点危機救った 着々V固め今季最多貯金19!2位巨人に9・5差
「阪神2-1ヤクルト」(13日、甲子園球場)
ウル虎の夏にふさわしい劇的な決着だ。阪神は九回、1点差に迫られてなおも1死二、三塁の守備で、右翼・森下翔太外野手(24)がタッチアップを狙った三走・武岡を本塁で刺す好返球でゲームセット。今季最長タイの5カード連続勝ち越しとなり、貯金は今季最多の19。2位・巨人とは9・5ゲーム差に広がった。一直線に伸びた森下の送球のように、このまま独走を続けていく。
最後にミラクルを起こした。右翼・森下の右手から、白球はレーザービームとなってワンバウンドでホームへ。ヘッドスライディングする武岡にタッチした坂本は、ミットを突き上げてアピールする。リクエスト後も覆らなかったアウト判定。「本当にウル虎の夏、みたいな形になりましたね」。藤川監督も興奮気味にたたえる。森下が好守でウル虎の夏を彩った。
「フライが来たら絶対刺してやろうというイメージはできていたので、イメージ通り投げることができました」
絶体絶命のピンチだった。1点差に迫られなおも1死二、三塁。前進守備を取っていた森下は「頭を越されるのはしょうがないとして、間を抜けるヒットは、二塁ランナーをかえさない体勢にはいました」と準備を整えていた。ファウルゾーンに打球が来ることもイメージ。右中間気味に飛んでも「自分が行こう」とあらゆる想定をしていた。
カウント2-2となり岩崎が増田へ投じた5球目だった。打球は右翼へ。「浜風がちょっと弱まっていたので、若干さされた」というが森下は冷静に体勢を直して捕球。そして焦らず、それでも素早くホームへ送球した。
昨季後半には疲労で肘が張ることもあった。オフには「投げるのをどうにかしたい」と守備にも力を入れ、投げ方を改善。「守備走塁は100%目指してできるもの」とシーズンに入っても筒井外野守備走塁コーチと毎日練習に励んできた。
だから、間一髪のタイミングにリプレー検証となっても自信があった。「指にもボールがかんだ感触がありましたし、送球のラインも合ってたので、アウトだろうと確信していました」。セーフとなっていれば同点に追いつかれた上、なおもピンチが続く状況。ビッグプレーでマウンド上の岩崎、そしてチームを救って勝利を導き、「守備でこうやって1点を守れれば価値のある1点。今年、守備もしっかりやっていきたいなっていう中でいいプレーが一つ出た」とうなずいた。
持ち味のバットでも六回には先頭で中前打を放って先制劇を呼び込んだ。チームは今季最長タイ5カード連続勝ち越しで貯金も今季最多の19に。「これからも守備で、走塁で、打撃ももちろんですけど、貢献したい」。レベルアップした森下が再び連勝街道を導いていく。
◆森下の鬼肩 今季では5月10日・中日戦の初回1死二塁。上林の右前打で二走・岡林が本塁を狙ったところを本塁へのワンバウンド送球でタッチアウトとし中日の先制を阻止。さらに7月1日・巨人戦では七回先頭打席で詰まり気味の右前打を放ち二塁を狙ったキャベッジに対して、打球を素手で捕球し、そのまま二塁へ送球してタッチアウトとした。
◆今月勝率9割超 今季7月月間勝敗成績は11勝1敗で勝率・917。12球団で唯一連敗をしていない。また、今季最長タイの5カード連続勝ち越しで2位とは最大タイの9・5ゲーム差。なお、1点差勝利は今季13度目でセ・リーグ4位。
野球スコア速報
関連ニュース





