阪神・佐藤輝 12球団最速20号!球団日本選手では掛布以来41年ぶり「いいんじゃないですか」 連勝で40勝一番乗り
「ヤクルト0-6阪神」(29日、神宮球場)
虎の4番が神宮の空に豪快な放物線を描いた。阪神の佐藤輝明内野手(26)が八回に20号ソロを放った。12球団最速での20本塁打到達は、球団の日本選手では1984年の掛布雅之以来41年ぶり。チームは40勝にリーグ一番乗り。6月を連勝で締め、7月1日から甲子園で巨人との伝統の一戦に向かう。
打った瞬間、スタンドインを確信した佐藤輝はゆっくりと走り出した。豪快な一振りに、相手の右翼手は早々に諦める。歓声と悲鳴が交差する中、打球は右翼席中段に飛び込んだ。
「甘いところに来たので(打てて)良かった」
5-0の八回だった。1死からヤクルト・丸山翔の投じたカーブを完璧に捉えた。両リーグ最速で20号に到達するのは球団では2010年のブラゼル以来、日本選手に限ると1984年の掛布雅之以来41年ぶり。久々の記録に「いいんじゃないですか」と表情を緩めた。
ポジション変更は何の問題もなかった。この日は5月24日の中日戦以来となる、三塁でのスタメン。「全然違和感なく入れました。バッティングに(影響は)どうこうないんで(内外野)どっちでも大丈夫」。打っては豪快な一発。守備でも2度のゴロを軽快な動きで処理した。
昨年は16本塁打に終わった男が、今年は出場72試合目で早くも20号。新人から5年連続で50打点に達した。ここまで順調に数字を伸ばしてきた要因は、とにかくブレないことだ。元々、結果を引きずる性格ではないが、昨季までは無安打が続いたり、チャンスの場面で凡退すると、どうしても不安に陥っていた。
ただ今季は、無安打に終わった試合でも「相手投手が良かった。自分は悪くない」と考え方をハッキリさせた。これまでは打てないと、その都度細かく修正を加えていたが、それは逆に取り組んできた打撃を崩すことになる。結果は割り切って、オフから信じてやってきたことを継続している。メンタル同様に打撃の調子の波は少なく、5月以降は2試合続けて無安打はない。この日も3打席目までアビラに封じられたが、投手も代わり、気持ちを切り替えて打席に入っていた。
チームは連勝で、交流戦中、一時は7連敗と苦しんだ6月をなんとか勝率5割で終了。優勝した23年以来、2年ぶり12度目となるセ・リーグ40勝一番乗りとなった。「暑いんでね、体調を崩さないようにして、また(数字を)伸ばしていけたら」。ここから夏本番。佐藤輝がアツいプレーで盛り上げていく。
◆15年ぶりの両リーグ20号一番乗り 佐藤輝が八回に豪快な20号ソロ。阪神選手が両リーグ最速で20号を達成したのは1975年・田淵幸一、84年・掛布雅之、85年・バース、90年・パリッシュ、10年・ブラゼル(巨人・阿部と同日)に次いで、15年ぶり6人目となる。また、日本選手としては掛布以来、41年ぶり。なお、田淵、掛布、バースはシーズン本塁打王も獲得している。
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