「阪神１－３ロッテ」（１７日、甲子園球場）

　阪神の岡田彰布オーナー付顧問がテレビ大阪で解説を務め、七回に鋭い観察眼を披露したシーンがあった。

　１点リードの七回、２死二、三塁から角中に投手強襲の適時内野安打を許し、同点に追いつかれた。なおも一、三塁の状況。捕手の梅野が内野手にサインを送った直後、「ちょっと重盗気をつけなアカンね。おーん」とつぶやいた。

　藤原への初球、その読み通り一塁走者の角中がスタートを切った。梅野は三塁走者を牽制した上で二塁へは送球せず。「ちょっとサードコーチャーの動きがおかしかったんよ。絶対重盗やろうなと思ったから」と岡田顧問。解説席からロッテの三塁ベースコーチを観察した上で、相手ベンチの仕掛けを読みきった。

　さらに「もう才木はいっぱいいっぱい。この回だけ頑張らなあかん自分で」とまるでベンチから投手を見つめているような口ぶりで重要局面であることを伝えた岡田顧問。だが藤原に高めのストレートを左前にはじき返されると「うわっ、アカン」と思わず言葉を吐き出すシーンもあった。

　他にも相手ベンチの動きを観察し、「八回は鈴木、九回は中森か」とロッテサイドの継投を読み切り、阪神の代打起用についても「使わないまま終わってしまう」と予言していた岡田顧問。鋭い観察眼で指摘した通り、ゲームは流れた。