阪神・ドラ5佐野 コツコツ打率・314「自信ついた」守備ではユーティリティー性発揮

 阪神のファームを特集する企画「飛び出せ大物」。新2軍球場の最寄り駅である阪神大物(だいもつ)駅にちなみ、ファームから生まれるスター選手を発掘していく。第5回はドラフト5位ルーキーの佐野大陽内野手(23)=日本海L富山=を取り上げる。ここまでファームで打率・314。内野の全ポジションを守るユーティリティー性を見せるなど、存在感を放つ男の現在地に迫る。

  ◇  ◇

 初めて送るプロ生活。ファームは開幕して約3カ月がたった。「勉強です。学ぶことの多い時間だったと思います」。佐野は充実の日々をそう振り返った。

 最もインパクトを残しているのは打撃だ。規定打席にこそ達していないものの打率・314をマーク。「最初は自信がなかったんですけど、試合を重ねて経験させてもらって、自信がついてきた」と打席内での落ち着きも備わってきた。

 技術面では基本を徹底する。2月のキャンプからティー打撃でもフリー打撃でも、とにかくセンター返しを意識。打球にいい回転をかけることにも重きを置き、多くのメニューをこなしている。

 課題も出た。5月13日のファーム交流戦・オイシックスとの試合では三塁で2失策。チームの逆転負けにつながった。翌日の試合前練習では、平田2軍監督つきっきりの中、多くの時間を守備に費やした。

 本職は遊撃として入団も、打力を買われ二塁、一塁と内野全てのポジションを守る。山崎2軍内野守備走塁コーチは「今までいろんなポジションをやってなかったから、戸惑っているところはある。(守備が)彼の今の課題。野球を覚えていかないといけない」と成長に期待。佐野本人も「どこを守っても安心してもらえるような信頼を勝ち取りたい」と力を込めた。

 4月後半には上半身のコンディション不良で一時戦線離脱。「自分の準備不足、体の弱さが出た」と、試合が続くプロの厳しさも知った。反省も生かし、練習前のエクササイズを強化。入浴後のケアにも時間を割くなど、再発防止に努めている。

 首脳陣からも愛される存在だ。梵2軍打撃コーチは「元気ハツラツでやってくれるところがいい」と評価。平田2軍監督からもよく声をかけられる。「僕なんかに声をかけてくれてありがたいです。いろんな姿勢や結果でアピールしたい」と恩返しを誓う。

 打撃で存在感を見せる佐野だが、1軍昇格には課題も多いと自覚する。「(試合の)流れだったり雰囲気をくみ取れるようになりたい。そこは試合に出て経験していきたい」。走攻守全てでレベルを上げ、まずは1軍昇格を目指す。(デイリースポーツ・滋野航太)

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