阪神・近本 天敵から千金同点打で逆転口火 1000安打あと「6」 打撃の理想は「打席では素振りがしたい」

 「広島2-5阪神」(30日、マツダスタジアム)

 狙った獲物を捕らえるように、バットが真芯で白球を捉えた。激しい衝撃音とともに阪神・近本光司外野手(30)の打球が中前に抜ける。起死回生の同点打。三塁ベンチ前で粘投を続ける村上が両手を上げて喜んでいた。「淡路島コンビ」でつかんだ白星。価値ある一打が逆転勝利を呼んだ。

 「3-1になっても変化球か真っすぐで、ストライクは投げてくるだろうと思っていた。結果的に点になってよかったです」。試合後、冷静に勝敗の分岐点を振り返る。1点を追う五回、2死二塁。直前、村上が犠打で得点圏に走者を進めた。

 ボール先行でも四球は頭にない。塁に出れば勝ち越しの走者。冷静に状況を見極めて5球目を待った。読み通り高めに浮いたチェンジアップに反応。今季はこの打席まで10打数1安打と、相性が悪かった森下を攻略した。貴重な同点打がチームに勢いを付け、相手失策が絡んで逆転に成功だ。

 「打席では素振りがしたい」という持論を持つ。打撃の理想は極端に言えば打つことではない。「一番大事なのは打ちにいって判断すること。打ちにいって甘いからスイングする。厳しいから、ボールだからやめる。それがシーズンの中でベースになってくる」。理論派、感覚派の一面を持つが、それだけじゃない。

 屋外打撃練習前に室内で、打撃投手を相手にボールを打つ。前日の修正と確認に、連動性などその日の状態を把握。日々、表には見せない努力の積み重ねで、プロ入りから7年目で994本の安打を積み重ねてきた。節目の1000本まで6本。球団の日本人最速試合で達成が見える中でも「はい…」と個人の数字に興味を示すことはない。

 「(村上)頌樹が粘り強く投げてくれていたので、追いつくことができて良かったです」。チーム13イニングぶりの得点から勝利につながった一打を喜んだ。節目まで8本とした27日のDeNA戦も今季初のサヨナラにつなげた安打。不動の一番打者は秋の美酒に向け1本、1本、地道に殊勲の一打を積み重ねていく。

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