初勝利の阪神・ドラ1伊原「練習以上のことは出ない」 プロでも努力の鬼 「考えてできる子」NTT西日本の恩師が語る

 「阪神8-1広島」(20日、甲子園球場)

 新人左腕が聖地に六甲おろしを響かせた。阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=がプロ初先発で5回無失点5奪三振の好投。12球団の新人一番乗りとなるプロ初勝利を挙げた。チームは甲子園で11日の中日戦以来となる今季2勝目。連敗を2で止め、2位に浮上した。

  ◇  ◇

 プロに入ってからも変わらぬ姿があった。伊原の社会人時代の恩師で、NTT西日本硬式野球部の河本泰浩監督(42)はキャンプやオープン戦で左腕の登板をしっかりとチェックしていた。「そのままの姿。自分のペースでやっているなって」。画面越しからでも伝わる努力を感じ取った。

 伊原は口癖のように「練習以上のことは出ない。練習以上のことを出そうとすると力んでしまう。プラスにならない」と口にしていたという。練習後も遅い時間まで自主トレに励み、努力を積み重ねていた。

 河本監督は「考えてできる子」と、自身で熟考して行動する地道な姿を見てきた。だからこそ左腕の日々の積み重ねを、マウンドでの振る舞いや投球から確信した。

 伊原は大商大時代に指名漏れを経験。硬式野球部に入部が決まった時には「プロに行きたい」という強い熱意を聞いていた。期待による重圧がのしかかり、1年目の夏以降に疲れが見えたこともあった。それでも「苦労している姿は全然見せない」と淡々としているように見せていたという。

 阪神に入団後、伊原と連絡を取ることはない。「僕は陰で見守っているタイプなので」と目尻を下げ、「あえて私から言う必要はないかなって思っています」と温かいまなざしを向けた。

 「その時のできることを精いっぱいやってくれれば大丈夫」。“努力の鬼”を見守る恩師からの、信頼の言葉が現実となった。(デイリースポーツ・和泉玲香)

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