岡田阪神 連覇への快幕を阻まれた 梶谷の超美技で先制幻「流れ変わったな」 大山スタメン落ちも

 「巨人4-0阪神」(29日、東京ドーム)

 球団史上初の連覇を目指す岡田阪神は、4安打完封負けで黒星発進となった。序盤は押し気味に試合を進めたが、三回1死一、二塁で森下が放った右中間への飛球を巨人・梶谷に好守で阻まれ、岡田彰布監督(66)も「流れ変わったな」と苦笑いを浮かべた。ただ下を向く必要はない。まずは第2戦。タイガースの野球をやり切って、勝利をつかみたい。

 勝負は紙一重だった。伝統の一戦で幕を開けた岡田阪神の2年目は4点差の敗戦に終わったが、結果が逆になっていた可能性もあった。

 「流れ変わったな、梶谷のところな」

 岡田監督が苦笑いで振り返ったのは三回の場面だった。1死から近本の右前打に続き、中野の犠打が内野安打となり一、二塁と好機が広がった。打席に入った森下が戸郷の初球を強振。痛烈な当たりが右中間を襲ったが、右翼・梶谷が渾身(こんしん)のダイビングキャッチで打球をグラブに収めた。飛び出していた中野は一塁に戻れず併殺が成立した。右中間を割っていれば2者が生還していただけに指揮官も「そら、大違いやろ」と認めるしかなかった。

 開幕投手として送り出した青柳は快調な投球を続けていたが、五回に落とし穴が待っていた。無死二塁から戸郷への初球を投じる直前にボークを犯し、1死三塁から佐々木の遊ゴロ野選で先制点を許した。右腕は1失点で踏ん張れず、2死二塁から梶谷に痛恨の一発を浴びた。「ちょっとボークもなあ、もったいなかったけど。結局、梶谷(の打順)になったからのう。あのホームラン痛かったけどなあ。1点じゃ全然な、そら(試合は)分からんかったけどな」。大勢が決した攻防に悔しさをにじませた。

 打線は四回以降、無安打に抑え込まれた。指揮官が誰よりも気がかりなのは4番・大山の状態だった。「大山はちょっとなあ。踏ん張れてないなあ。どっしり振れてないもんな。ストレートにな」。六回1死一塁で戸郷の甘く入った直球を捉えたが、大飛球はスタンドまで届かなかった。

 「今日のスイングを見とったら万全じゃないよな。フリーバッティングのボールと違うからのう。まあでも、今日に合わせてたわけやからのう」

 大山は下半身の張りを訴え、オープン戦終盤を4試合連続で欠場。開幕に向けて調整を重ねてきたが、3三振を喫するなど4打数無安打に終わった。岡田監督は「ちょっと明日の状態見な分からへんなあ。もう最後(の打席)もちょっとなあ」と30日の第2戦でスタメン落ちの可能性を示唆し、表情を曇らせた。

 球団初の連覇へ挑む船出は26年ぶりとなる開幕戦の完封負けとなったが、虎将がかねて強調してきたように「143分の1」が終わったに過ぎない。仕切り直して次の戦いに向かう。

 ◆開幕戦完封負け 阪神が開幕戦で完封負けを喫したのは1998年4月3日・横浜戦(横浜)の0-8(敗戦投手・藪)以来、26年ぶり。

 ◆球団初の開幕戦生え抜きドラ1クリーンアップ 開幕戦で阪神生え抜きドラフト1位選手によるクリーンアップは球団史上初。移籍組を含めれば19年3月29日・ヤクルト戦(京セラドーム)で組まれた糸井嘉男(03年度・日本ハム自由枠)、大山(16年度阪神1位)、福留孝介(98年度・中日1位)以来、2例目。また、ドラ1に限らず開幕戦の球団生え抜きクリーンアップは97年4月5日・広島戦(広島)で組まれた新庄剛志、桧山進次郎、八木裕以来。

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