阪神1、2番コンビの関係性とは 目標は近本「100得点」中野「出られる限りは」連続フルイニング

 連覇に向けて共闘を誓う(左から)中野と近本
 新年の抱負を書き記した(手前から)中野と近本
2枚

 阪神・近本光司外野手(29)と中野拓夢内野手(27)が“1、2番対談”を行った。リーグ優勝&日本一に貢献した1、2番の裏側を明かし、日頃から意見交換を行っていることにも触れた。昨季、リーグトップタイの83得点だった近本は100得点を目標に掲げ、中野には自身が一塁にいても遠慮せず「打てよ」と注文。近本の思いに応えるべく、積極打法を示唆した中野は2年連続のフルイニング出場を目指す決意を示した。

 -昨季は18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を達成。1、2番で貢献したが、互いのすごい点は?

 近本「去年、ムー(中野)は本当によくボール見てたな。僕がスタートを切ったら打たないですし、本当申し訳ないなって思うけど(苦笑)。打って一、三塁を作った方がいいのに、バントとか進塁打とか自分でプレッシャーかけようとするので、“打てよ”っていつも言ってるのに、全然打たない(笑)。ランナー一塁の(中野の)打率多分悪いですよ。打っても逆方向かセンター前やもん」

 中野「そうですね。あんまり引っ張ってはいない。引っ張ってセカンドゴロがいくイメージが頭にあるから、引っ張らないです。勝手に打球が行ったとかはありますけど。レフトフライが多い」

 近本「確かにレフトフライが多い。(塁上)入れ替われやって!!」

 中野「入れ替わるのとかが一番嫌で…」

 近本「ランナー一塁で遊ゴロ、二ゴロ、三ゴロの併殺崩れで一塁に残ったら(中野に)走れ、入れ替われといつも言っていて(笑)」

 -中野は近本に気を使っている?

 中野「気を使うというか、ほとんど走らないと言いつつも、自分の中でちょっと打席で待ってるというか。カウントを進めて、結果的に3-2になって勝手にランエンドヒットとかそういうふうになればいいかなという状況の時もあった。一塁に足の速い近本さんがいるのに、初球を簡単に打ってしまうっていうのは、ちょっともったいないなっていう気持ちもね。長く一塁から行かないのに、ずっと一塁に居られる方がプレッシャーがかかるし、バッテリーに与えるプレッシャーも多分違ってくるので」

 近本「俺へのプレッシャーが違う」

 (全員爆笑)

 -試合前にミラールームで意見交換もしている。いつ頃から。

 近本「一昨年からやってたと思う」

 中野「一昨年ぐらいですかね。2年目ぐらいから試合前に一緒に素振りするようになって、その時のピッチャーのことだったり、どうやって打ちますか?って自分が聞いたりとか、そういう話を一昨年ぐらいからです」

 -1、2番を組むからこそ、自然にそうなっていった感じか。

 近本「いや、最初はその場所におったからっていうのもあるやんな?でも去年は1、2番でおるから、俺、初球から行くわって言ってネクストでしゃべって、ムー(中野)ホンマごめんけど初球から行くわって言って、行くこともあるし。ホンマに走らへんから一塁に出ても絶対打ってな、早く打ってなってそういう話もよくします。っていって、初球から打ったことないですけど(笑)」

 中野「打てないです(笑)」

 近本「『じゃあ逆に僕、今日初球から行きます』っていう話はよくしてくるよな」

 (続けて)

 「ネクストで話して。ビジターなら始球式前とか始球式で帰ってきたときに、始球式のボールとかも真っスラしたり、引っかかったり、抜けたりして『今の真っスラやったっすね』って。めっちゃ良いボールやったよなとか」

 中野「内角攻められましたねとか」

 -試合前話している時に監督も来るのか。

 中野「通りますし、振ってるすぐ近くの部屋に監督室とかコーチとか試合前にいるんで、自分たちが話してる内容とかも多分、聞こえてますね」

 近本「聞こえてるよな」

 中野「記事で見たのは、そういう話が聞こえて、監督が『この2人だったら、1、2番にしても大丈夫』みたいな感じの記事を自分見たことあるんですけど、まあ意外と聞かれてるんだなって思ったりね」

 -1、2番の安定感を感じているか。

 中野「近(近本)さんが1番にいてくれる安心感は自分としてもありますし、近さんの打席を見ながら、自分も打席に入れるというのもある。そのへんの流れは大事かな」

 -近本はリーグトップタイの83得点、中野は3位タイの80得点と本塁生還数も多かった。

 近本「得点は僕の中で結構、数少ない数字の目標ではある。リーグトップでも83なので少ない。チームとしての得点数も少ないんであれですけど。もうちょっと出塁率が上がったからって、得点が増えるわけではないとも思うし、まあ兼ね合いもあるので…。去年のチームの傾向を見ると、やっぱり得点よりは失点で抑えて勝つというのが多かったので、その中で自分のやることはしっかりやったんじゃないかな」

 中野「今までに比べたら出塁率ももちろん上がりましたし、上位を打つのであれば、得点に多く関わることがチームの得点力にもかかってくると思います。自分の課題でもあったので、得点数で言えばもっともっと上げていかないといけない数字。近さんは途中で離脱されてても1位ですし。143試合ずっと出てる自分と変わらず、そこまで数字が伸びていない部分もあったと思うんで、もっと得点に絡めるようにやっていけたらですね」

 -100得点が一つの目安になるか。

 近本「1番の場合は100得点ですね。得点で多いのは長距離打者がホームランを打てるので、それで絶対に得点は1点入る、っていうのを考えたら巨人の岡本和が同率の83得点で1位だったけど、ホームランが41本で。そこを考えたらまあまあかな。もうちょっと何を伸ばして得点を増やせるかというと、去年は二塁打が少なかった。先の塁に進めるような打撃ですかね」

 中野「自分は打ってくれた方が助かりますけど。二塁打ならバントとか進塁打とかそういうサインが出るんですよ。三塁打だったら自分の中で外野フライでもいいし、少しは楽に打てるので」

 近本「ムー、今年は打ちに行こう!!」

 中野「ちょっと思い切り行く場面もあるかもしれないです」

 近本「なんやそれ(笑)」

 -日本一を実感する機会は多いか。

 近本「でも、僕が思うには、引退してからの方が優勝して良かったなって思うことも増えるんじゃないかと思いますけどね。あの時、優勝して良かったと。今は自分たちの成績のことをやっているのでね」

 中野「優勝したからといってその年には優勝して良かったなっていうふうに思うより、近さんも言ったようにまたいつかそう思うこともあると思います。ファンの皆さんがやっぱり喜んでくれたっていうことが一番すごくこう、表に伝わった」

 -いいコンビに見える。1、2番固定の去年から話すようになったのか、前からなのか?

 近本&中野「去年が一番話している」

 近本「ムーが副(会長)やってたのも」

 -コミュニケーションすることでお互いの性格的な発見は?

 近本「もっと堅実なのかなと思ったら、結構グイグイ行くタイプなんで」

 -具体的には。

 近本「勝負してるなっていうのは結構、思うかな。守備で前に出たり、バッティングで初球、結構打つの嫌な時あるやん?だけど、チャンスの時には結構初球を振ったり、勝負している。勝負してるなと思って見ているんですけど」

 中野「めちゃくちゃ真面目そうだなと見てて、意外とこう裏でコミュニケーションをずっと取っていく中で、意外と適当な部分もあるし、『もうええやろ~』みたいな結構、そういう感じで打ちに行くんだなあと」

 近本「ムーはフルイニングしてる時に、結構しんどそうだった。『しんどいです、帰りたいです』って言っていた。打撃練習で、ムーが来るやん。『もうしんどいっす、帰りたいっす』って」

 中野「近さんは死球当たってからは結構休んでいた(笑)」

 近本「僕休んでたりしていたので(笑)。でも、フルイニングはフルイニングに出たものしかそれの評価はできないから。それをやった時にどう感じるのか。ムーは最後までしっかり頑張ってたから、そりゃもう自分は途中から離脱した瞬間に、もうすぐ休む、すぐ交代みたいな」

 中野「うらやましかった、あの時は」

 -フルイニング出場を達成。改めて。

 中野「フルイニングといろんな方から言われる。自分として実感は正直ないですけど、これも結果的に自分と中日の岡林だけですかね。周りからそういう評価をしていただけるのは、自分としても光栄なこと。弱音をこういろいろ吐きながらとかありましたけど、結果的に出て本当に良かったなって、自分の中では思いますね」

 近本「今年からは?目指せそう?」

 中野「もちろん出られるのであれば。ケガとかそういう出れないという状況になってしまったらしょうがないですけど。出られる限りは最後まで行きたいと思います」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス