青学大・下村 阪神ドラ1の底力 苦しみながら6回2/3を2失点 高3夏以来打席で2犠打成功

 日本文理大打線相手に6回2/3を2失点の青学大・下村(撮影・佐々木彰尚)
 6回、下村は犠打を決める
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 「明治神宮大会・大学の部・2回戦、青学大8-4日本文理大」(18日、神宮球場)

 阪神からドラフト1位指名を受けた下村海翔投手(21)=青学大=が18日、明治神宮野球大会・大学の部で、初戦となる日本文理大との準々決勝に先発。苦しみながらも6回2/3を5安打2失点(自責1)と底力を見せ、大学最後の大会でチームを白星発進に導いた。公式戦では高3の夏以来の打席にも立ち、2犠打も成功。大学4冠へ向け、準決勝と決勝での登板にも意欲を見せた。

 神宮の寒空の下、鮮やかなエメラルドグリーンのグラブが映えた。今まで以上の注目を浴びながら、下村が“虎のドラ1”の底力を発揮。大学最後の大会で白星発進を決めた。

 「チームが勝てたことが一番なんですけど、自分の投球には全然満足していない。次に投げるチャンスがあった時は、もっといい投球ができるように」

 寒さも相まって、序盤から本調子ではなかった。初回先頭には四球を献上。無失点で切り抜けるも、三回には二塁打から失点。制球力が持ち味だが、ボール先行も目立った。

 それでも六回2死一、三塁のピンチでは「一番得意なボールは左打者へのインコースのカットボールなんですけど、きょうは思い通りにいかなかったので」と冷静に分析し、最後はフォークで遊邪飛に。武器のカットボールに頼らず、フォークで勝負できたことには手応えを得た。

 七回は味方の失策などから失点し、2死一、二塁となったところで交代。6回2/3を5安打2失点(自責1)で、先頭に四球を与えたことを「いいリズムを持っていけなかった」と反省。計4四球を与え、最速も147キロ止まり。ドラフト前以上の重圧もあったが、それでも粘り強く100球を投げ抜いた。

 東都大学リーグは指名打者制のため、高3の夏以来となる公式戦の打席にも立った。逆方向への大飛球を放ち、2犠打にも成功。打席の後、休む間もなくマウンドに上がる場面もあった。投手も打席に立つセ・リーグの球団に入団するだけに「いい経験になった」と話し、「プロは150キロを超えるようなボールが来る。打てば自分を助けることになるので、練習していければ」と意欲を見せた。

 春秋のリーグと全日本大学選手権に続く4冠へ、残るは19日の富士大との準決勝、20日の決勝の2試合。「明日も投げるつもりでしっかりと準備して。明日の試合にまずは全力で勝つというところに向かってやっていければ」。最高の仲間たちと笑顔で有終の美を飾る。

 ◆下村 海翔(しもむら・かいと)2002年3月27日生まれ、21歳。兵庫県出身。174センチ、73キロ。右投げ右打ち。投手。小学3年時に甲武ライオンズで野球を始め、甲武中では宝塚ボーイズに所属。九州国際大付では1年秋からベンチ入り。青学大では1年秋から登板。23年の日米大学野球でMVP。今年度ドラフトで阪神から1位指名。好きな有名人は、YouTuberのサワヤン。

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