阪神・佐藤輝 2戦連続先発落ちも奮起せよ 九回好機に代打登場も不発 交流戦チーム打率・202 オリ・山本に2安打

 「阪神0-2オリックス」(13日、甲子園球場)

 阪神はオリックス先発・山本に8回2安打無得点に封じられ、今季6度目の完封負け。不振の佐藤輝明内野手(24)は2試合連続でスタメンから外れ、九回の好機に代打で起用されたものの二ゴロに倒れた。交流戦のチーム打率は12球団ワーストの・202に落ち込み、リーグ2位のDeNAとの差も3・5と縮まる中、起爆剤として背番号8の復調が待たれる。

 一発出れば逆転サヨナラという場面。代打・佐藤輝が送り込まれると、甲子園のボルテージが一気に高まった。2試合連続スタメン落ちとなっても、若き大砲の長打力に虎党は大きな夢を見る。ファンも勝利を祈るように両手を合わせていた。

 2点を追う九回1死一、二塁。山崎颯と相対した。初球の高めの直球を平然と見送った後、外角の143キロスライダーに反応した。一、二塁間の方向に打球は飛んだが、結果は二ゴロ。「なんとかしたかったんですけどね…」。そう本人は渋い表情を浮かべた。

 交流戦打率は・111(45打数5安打)に低下。7日・楽天戦では田中将から決勝打を含む1試合2三塁打を放つなど光を見せていたが、以降の試合では悔しい打席が続いている。岡田監督の声のトーンも曇るばかりだ。

 「(佐藤輝は)悪いから外してるんやから。15打席くらい(安打が)出てないけど、真っすぐのヒットは何打席出てないと思う?楽天戦も両方、変化球やで。今日も(打ちに行ったのは)変化球やろ。そういうことやん」

 もちろん、佐藤輝だけの問題ではない。チーム全体で見ても交流戦打率は12球団ワーストの・202と低迷。報道陣から1、3、5、6番が機能していないという状況を問われた指揮官は「1、2番がずっと良かったらもっと点になってるよ」と言及。球界のエース・山本の前に、安打を放ったのは坂本のマルチ安打のみ。好投を続ける村上を援護することはできなかった。

 昨季、佐藤輝はオリックス戦で打率・417(12打数5安打)、1本塁打、7打点と活躍した。交流戦では残り2試合。好データ通りに関西ダービーを復調の起点とし、状態を上げていくしかない。

 交流戦前に6差あったDeNAとの差は3・5に縮まった。佐藤輝の豪打復活が、打線最大の起爆剤となる。最後に本塁打を放ったのは、5月19日・広島戦。首脳陣もファンも本調子を取り戻し、スタンドにアーチを描く姿を待ち望む。「頑張ります」と短く決意を込めた背番号8が、壁を打破する。

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