阪神・岡田監督「拙攻のゲーム」 35イニング適時打なし 佐藤輝不振に「見ての通りよ」
「阪神1-1ヤクルト」(9日、甲子園球場)
阪神・岡田彰布監督(65)は苦笑いで会見場に現れた。「何とも言えんなあ…」。今季最長4時間29分のゲームは延長十二回の末、両リーグ初のドロー。将は中継ぎ陣の奮闘をたたえつつ、先発・吉村の不安定な立ち上がりを崩せなかったことを悔やんだ。
「初回やからな、結局。三振は何も起きんもんな。ボテボテでも打てと思うけど」
初回、2四球と安打で1死満塁の先制機を作った。ところが、佐藤輝が空振り三振に倒れると、今季初スタメンの板山も連続三振に倒れてしまう。その後も再三の得点機で快音が聞かれない。これで4日・広島戦の九回に大山が適時二塁打を記録してから35イニング適時打なしとなった。
「佐藤輝?見ての通りよ。渡辺(諒)がいないんよ。それだけよ。ちょうど熱が出て」
体調不良により「特例2023」で登録抹消となった渡辺諒不在を嘆くほど、佐藤輝の状態は深刻だ。1-1の八回も無死二塁から4番手・清水のフォークにバットがクルリ。この日は4打数無安打1四球3三振。開幕からノーアーチが続き、6試合連続打点なしと精彩を欠いている。
監督就任から三塁固定とクリーンアップ起用を明言してきた。だが、開幕から8試合で打率・160。「そら、打てんかったら外すよ。しゃあない」。渡辺諒が元気だったなら、スタメン落ちさせていた可能性があったことを明かした。
「打つべき人が打ってないから、こういうゲーム展開になるだけであって。そんな、簡単なことや。もう遊んどってもええゲームやんか、俺らも。もう打たれるなあ、もう打つなあと思うてんのがずっと12回続いたんや」
最後は徒労感いっぱいに「拙攻のゲーム」と吐き捨てるように言った。移動日を挟み、11日からは敵地・東京ドームで今季初となる巨人3連戦。主砲の一打でタイムリー欠乏症に終止符を打ちたい。