阪神・近本 土壇場から自身初サヨナラH 劇打直後〝水かけ〟から猛ダッシュ逃走の理由とは

12回阪神2死一・二塁、阪神・近本光司はサヨナラ打を放ち手荒い祝福を受ける=京セラドーム大阪(撮影・山口登)
 1回、二塁打を放つ近本(撮影・高部洋祐)
 1回、二塁打を放つ近本(撮影・中田匡峻)
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 「阪神6-5DeNA」(1日、京セラドーム大阪)

 コレほんまアレしてまうで!阪神は1日、近本光司外野手(28)が、延長十二回2死満塁から放ったサヨナラ打で開幕2連勝を飾った。走者なし、あと1死で引き分けという場面。代打・糸原の安打からつなぎ、最後は選手会長が決めた。8投手をつぎ込み、初回4失点をはね返す大逆転勝利。このまま一気に開幕ダッシュや~!!

 快音を残した白球が中堅方向へ伸びていく。「『越えろ』としか思ってなかった」。近本は祈るように打球を目で追った。必死に背走する桑原の頭上を越え、フェンス手前で大きく跳ねた。三走・糸原が両手を上げ、万歳のまま本塁を踏んだ。

 劇的なサヨナラ勝利の殊勲者は祝福から逃れるように、打撃グローブを脱ぎながら走りだした。「ホーム用の手袋が1個しかなかったのでぬれないようにと思って逃げてました。ぬれたら明日試合に出られないと思って」。自然とこぼれるのは満面の笑みだった。一塁ベンチ前まで戻ると、出迎えた岡田監督から優しく肩を抱かれた。

 5-5の延長十二回2死満塁、近本はこの日7度目の打席に立った。試合開始から4時間半近くになろうとしていた。対峙(たいじ)する山崎の初球、148キロの直球にタイミングが合わず手が出なかった。「そこからはどこにヒットを打つか、どうしようかみたいなイメージしかなかった」。あえて「無心」にならず、思考を巡らせ続けたのが近本らしかった。カウント2-2と追い込まれても揺らぐことはない。5球目の148キロ直球を決然とはじき返した。

 「欲」を抑えて打席に立っている。「打ちたい欲、強く振りたい欲、引っ張りたい欲、飛ばしたい欲。『力で』とかそっち(の欲)ですね。それを我慢してるというのはあります」。数字だけを追わず、フォームを固めることが先決だという。自制心の結果が会心の一打に結実した。ただ、「まだ何も分かってないから(いろいろ)やろうとしている。これが正解と思ってない。正解とかないと思うので」とも力説する。繰り返す試行錯誤は近本の歩みそのものだ。

 虎の誇るヒットメーカーだが、意外にもサヨナラ安打はプロ5年目で初。昨年の延長回は打率・071(14打数1安打)と延長戦は不得手とも言えた。それだけに、お立ち台で叫んだ「最高です!」の第一声には、ひとしおの思いが込められていたのかもしれない。

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