渡辺謙の質問攻めに阪神・岡田監督が明快回答 「いい投手から絶対に先に」「ゲッツーで1点を」

 阪神・岡田彰布監督(65)と、ハリウッドスターで熱狂的な阪神ファンとしても知られる俳優・渡辺謙(63)による新春ビッグ対談が実現。「投手」「作戦&采配」について、渡辺謙が質問攻めで18年ぶりの“アレ”を目指す岡田監督の方針や考えを聞き出した。

  ◇  ◇

 渡辺謙(以下、渡辺)「投手陣はそこそこ見えてる感じですよね」

 岡田監督(以下、岡田)「紅白戦でも青柳とかあの辺は投げないですけどね。若いピッチャーをどんどん(投げさせたい)」

 渡辺「秋山には戻ってきてほしいですけどね」

 岡田「秋山もね、先発で普通にやるつもりですよ」

 渡辺「あとね、高橋遥人選手なんかがね」

 岡田「(復帰は)夏くらいでしょ。あんまり計算してないですね。そりゃ(1軍に)来てくれたらね」

 渡辺「十分な投手陣ではありますよね」

 岡田「そういう意味で、先発で左がね。今、伊藤(将)一人なんで。岩貞に言うたんですけどね。ピッチングコーチの安藤に『岩貞、先発どうや』と電話しとけと」

 渡辺「可能性は高いですか?」

 岡田「最初は『自信ありません』と(笑)。だから、ボールの種類が減ってしもてるんですよ、後ろ(救援に)行って」

 渡辺「とにかくなぎ倒すっていう、1イニングだけみたいなね」

 岡田「20球くらいを全力でいくポジションだったんでね。(救援転向して)2年半くらいだから、まだいけると思うんですよね」

 渡辺「期待している投手はいますか」

 岡田「湯浅、浜地とかの方がちょっと不安ですね。(1軍でシーズンを通して投げたのは)1年でしょ、実質ね。どれくらいの疲労なのか。湯浅はWBCがあると1カ月間は、違うボール投げたりね。普通にやってくれたらクローザーでもいいんですけど」

 渡辺「開幕後の1カ月というのは大事な1カ月ですよね」

 岡田「交流戦までで今年1年の分析ですよね。(同一リーグで対戦が一回りする)30試合でね。交流戦終わりから相手のチームの戦力を見て『先発はこっちの方がいいんじゃないか』とかね。その辺の見極めでしょうね」

 渡辺「ローテーション的には交流戦ぐらいまでは守るのですか」

 岡田「きちっとね。前年の(相性の)ことは僕は一切考えなかったですよ。今年は今年ですよね。まずいいピッチャーから絶対いかないといけないです」

 渡辺「相性関係なくね。取れるもんは取っていくと」

 岡田「開幕でいいピッチャー、2カード目の頭で次の(実力のある)ピッチャーとかね。先に勝った方がいいからね。いいピッチャー置いてるからて、勝てる保証とかないですからね」

 渡辺「よく言ったもんで星取表ですからね。取っていかないと」

 岡田「青柳が投げたからて絶対勝てるていう、絶対という保証はないしね」

 渡辺「逆にそんなプレッシャーをかけて1回目(初登板)、初回のマウンドに立たしちゃいかんよね、まあどっか手探りで、投げ始めるわけですからね」

 岡田「そりゃそうですよ。今年を占うね、意味の初登板なわけだからね」

 渡辺「何かの記事で『無死一、三塁でゲッツーでいいんだ』というのを見たんですけど、そういう感覚って選手も『どうしてもヒットを打って、点を入れなあかんということじゃないんだ』って思うんじゃないですか」

 岡田「外野フライで1点で1死一塁。これだとなんか攻撃が乗らないですね。ゲッツーで1点を取った方が次に切り替えられる」

 渡辺「(打線が)牙をむいている感じがしますよね」

 岡田「(無死一、三塁では)そんな簡単に外野フライを打てるボールは投げてこないわけですから。まだ実戦をやってないんで選手に『こういう場面ではこういう打ち方をしろ』とか言ってないんです。2月に選手に『無死一、二塁とか無死一、三塁で例えばベンチから打てのサインが出た時にどんな気持ちで打席に入る?』とかそういうことを聞いて徐々にやっていこうと思っています」

 渡辺「選手によって個性はあると思いますけど、配球なんかも意識改革は考えているのですか?」

 岡田「あんまり読むな、と僕は。自然体で真っすぐ、速い球を待つというかね。打席を重ねていくと、こういう場面で初球に変化球が来たなというのを感じたらいい。それでそれを狙うとかね」

 渡辺「データに縛られることなく、体感というところですかね」

 岡田「いつもデータは頭に入れておけと。全部使うことじゃないからね」

 渡辺「裏をかいてきますもんね」

 岡田「そういうのはどっかで思い出せばええんですよ」

 渡辺「采配って勝ったから評価されるじゃないですか。例えば交代にしても『えっ?こんなとこで代えるの』となっても、勝ったら名采配になるし、負けたら何で代えたんやってなるから、監督なりベンチの肩の重さがあるというか…」

 岡田「采配とか配球とかね、100%絶対っていうのはないんすよね。いい結果が出たときが采配が成功だったというかね。結果論ですけどね。でもチームの方針として『ここはこういうことをやる』というのがみんなに浸透した方がうまくいくと思うんですよね」

 渡辺「監督もどこかでおっしゃってたんですけど、サイン出したら全部責任はベンチなんやと。結果をどうこう問わないと、選手にはね。逆に言うと選手も安心して『よし、じゃあいったろう』となりますよね」

 岡田「例を挙げたら無死一、二塁でバッターが『ここはバントだな…。あれ、打てのサイン出た』。ゲッツーで2死三塁。それでOKなんです。普通に打ったらええのに、変に右に打とうとかね。ポップフライ上げて1死一、二塁になる」

 (続けて)

 「進めたいときはバントしますよ。チームの方針としてそういうことを徹底して。基本的に大山、佐藤(輝)にバントはさせたくないですけどね。でも、最初のうち、6月くらいまでに1回くらいさせとこかなと(笑)」

 渡辺「(手をたたいて)ハハハ!」

 岡田「9月の大事なときになったら『ひょっとしたらバントしてくるかも分からへんぞ』と相手を悩ますことをやっとかんと」

 渡辺「イヤな感じを与えとかないとね。いやあ、楽しみやわあ。もうできることなら2月も行きたいぐらいやけどね、沖縄へ(笑)」

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