阪神の「アレ」目指して青柳塾を開講 自身と同じドラ5後輩2投手にイズム伝授へ
エースの自覚や!阪神・青柳晃洋投手(28)が18日、来年1月に静岡で初の合同自主トレを行うことを明かした。帝京大の同級生である日本ハム・西村に加え、チームから村上と岡留を自ら誘った。ドラフト5位という共通点を持つ後輩2人には、ローテの柱にまで成長した経験を踏まえて“青柳イズム”を伝えていく。
大黒柱に成長した今、新たな思いが湧き上がる。合同自主トレという自身初の試み。青柳の言葉から、チームをけん引する選手としての自覚がにじむ。
「僕自身、誰かとやるのが初めてで、分からないことだらけですけど。僕は考え方を変えただけでうまくいった選手なので、そういう考え方とかを少しでも教えられたら。そのくらいの年齢になってきたなと思って、始めることになりました」
来季でプロ8年目。声をかけた村上、岡留の若虎2人に伝えたいのは技術だけでなく、培ってきた“青柳イズム”だ。ドラフト5位で入団し、制球難など苦手を克服しながら1軍定着をつかみ取った右腕。「ファームで村上、岡留はすごい成績を出してて、それが1軍で通用しないわけない。だから、自分で1軍の壁を作ってるんじゃないか?というのを伝えられたら」と思いを明かした。
貴重な機会を後輩たちも逃すわけにはいかない。村上は「1秒くらいで『行きます』と言いました」と声を弾ませる。ルーキーイヤーの昨季はウエスタンで投手3冠に輝き、2年目の今季も同リーグで最優秀防御率と最高勝率を獲得。ただ、1軍昇格はかなわず、まさに「1軍の壁」にぶつかっている。「何で誘ってくれたかは聞いてないです」というものの、「チームのエースなので、学ぶ部分は絶対ある」と目を輝かせた。
青柳自身も、目標とする開幕投手へ向けて万全を整えていく。「お世話になってるトレーナーさんの地元なので」と静岡県沼津市で2週間を予定する。「トレーナーさんがトレーニングを組んでくれるので、話はしている。形は僕の自主トレなので、やりたいようにやろうかなと思っています」とうなずいた。
「若くて良いピッチャーがいっぱいいるので、どんどん出てきたら良いと思いますし、それに負けないように頑張るだけ。『アレ』のためには、僕一人じゃできないので」。悲願の頂点へ-。若手と相乗効果を生み出し、チームを底上げしていく。
【青柳のこれまでの自主トレ】
16年1月4日 プロ1年目シーズンに向け都内の帝京大で自主トレを公開。独特なフォームの愛称を募集。
17年1月15日 鳴尾浜での自主トレで年明け初のブルペン投球。
19年1月14日 鳴尾浜で自主練習後に結婚したことを発表。「これからは自分だけじゃないので、しっかり結果を求めてやっていきたい」。
22年1月13日 鳴尾浜での自主トレで東京五輪を共に戦った楽天・田中将からの金言を明らかに。「『その週の自分の体を確かめるためにやっている』という話をしてもらって勉強になりました」