岡田阪神「そんなん、いらんよ」FA補強封印で新戦力発掘 村上&桐敷「楽しみよな」
FA補強なんていらんよ、若手から見つけるやん-。阪神は1日、3年ぶりに行われる秋季安芸キャンプへ向けて、高知入りした。岡田彰布監督(64)は、今オフのFA補強封印を明言。今キャンプでイキのいい若手投手を中心に、新たな戦力の発掘に意欲を見せた。
若いチームの可能性に期待を寄せている。だからこそ、西武・森のFA権行使の話題を振られても、岡田監督はきっぱりと今オフのFA選手の獲得を否定し、笑い飛ばした。
「いや、全然考えてない。そんなん、いらんよ。せっかくチームが若なってきたのに、年寄りいらんやろ。年寄りかどうか分からんけどな(笑)」
キャンプ前日に明かした『FA補強封印』。裏を返せばそれは、チーム内の若手に魅力を感じている証拠だ。この日も今キャンプでの選手らの“伸びしろ”に期待する発言が占めた。
ひと昔前の秋季キャンプは体力強化がメインだったが、時代が変わったことを指揮官も痛感している。「今はもう高校生(出身)でもほんと1、2年でな、おーん。アレや、トレーニングの違いやろな、食いもんもあるかも分からんけど(笑)。ほんま体つきでもヒケを取らんよな」。秋季キャンプでは技術の向上を軸に、一人でも多く戦力として引き上げることを目指す。
特に期待するのが、新たな先発投手の出現だ。「どっちか言うたら先発が欲しいわな」と強調。「村上なんか、ええボール放ってたよ、ブルペンで。ファームではすごいみたいやからな。使えるぐらいのボールの強さはあるもんな」とフェニックス・リーグでの登板を終え、甲子園での秋季練習最終盤に合流した村上の名前を挙げながら目を細めた。
阪神では今季、伊藤将のみと、左の先発投手発掘も課題のひとつになる。「桐敷なんか楽しみよな」。今年の春季キャンプで、評論家としてブルペン視察時に目に留まった左腕に「投げっぷりやな。躍動感あるよな」と期待を寄せる。
岩田のように
前回監督時の07年秋季キャンプでは、ブルペンで見た岩田稔を絶賛。翌年には期待通り、2桁の勝ち星を挙げた。「(春に)1軍キャンプに入れたいなってなるかも分からんしな。そういう選手が出てきてほしいよな」。フェニックス・リーグ参加者など、初めて生で見る若手も多い。いざ発掘の安芸へ-岡田監督は期待を胸に、高知に入った。