阪神3連敗 主力欠く緊急事態も「今は我慢の時だが、策はあるはず」小山正明氏の視点
「DeNA4-1阪神」(11日、横浜スタジアム)
歴代3位の通算320勝を挙げ、「針の穴を通すコントロール」と称されたデイリースポーツ評論家の小山正明氏(88)が11日、横浜スタジアムでのDeNA戦を解説し、同一カード3連敗を喫したコロナ禍の阪神を「我慢の時」と位置づけ、投手陣により一層の奮起を求めた。
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大山、中野、近本のレギュラー陣がコロナで離脱し、チーム状況が苦しいことは理解する。だけれども、これは阪神だけでなく、既に他球団でも起こっていること、これから他球団でも起こり得ることやから、だから勝てませんという理由にはしてほしくない。
こういった緊急事態に備えるのが首脳陣の仕事であり、どう乗り切るのかがベンチワークなのだ。だが、この日を含めた直近の試合では、相手投手に関係なく、点が取れる要素がなかなか見当たらない。
期待するのは当然、4番の佐藤(輝)なんだけど、今は最悪の状態じゃないか。ボール球を振る。甘い球は打ち損じる。2打席目に中前打を放ったけど、一発同点の八回2死一、二塁では見逃し三振。前半戦の最後の方と今とでは、打撃フォームにおけるどっしり感がなくなっているし、軸というものが感じられない。
セ・リーグで一番頑張っていると評価する投手陣には酷な話になるが、この難所を乗り切るためには、より一層の投手陣の奮起しかない。打線の援護が全く期待できない今、極論すると毎試合0点で抑えるぐらいでなければ、勝ちへの道筋は見えてこない。
主力打者を欠く打線の状態は底と感じる。しばらくは我慢の時が続くだろう。ただ、この局面を打開するのは、選手だけの問題ではないと思う。