岡田彰布氏 リリーフの必須要素すべて兼ね備える阪神・湯浅 西純はカーブの精度がカギ

 阪神・湯浅
 帽子を手にマウンドでシャドーピッチングする西純(撮影・北村雅宏)
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 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(64)が、自身の経験を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」。291回目は湯浅、西純の若手投手2人のコントロールの安定感を高く評価した上で、湯浅は直球をより低めに、西純はカーブの精度を上げることでさらに成長できると説いた。

  ◇  ◇

 阪神は勢いに乗り切れへんなあ。でも、投手陣は頑張っとるよ。リリーフでは湯浅が好投を続けて、先発でも西純が1軍で勝利を挙げた。若い2人は今後が楽しみやな。

 湯浅はどんどん成長しとるなあ。最初は経験不足ということもあって不安があったけど、抑えるたびに自信をつけとるんやろう。

 俺は後ろを投げる投手には(1)「三振を取れる球がある」、(2)「コントロールが良くて四球で崩れない」、(3)「走者が出てもクイック、けん制などに不安がない」という点を重要視するんやけど、湯浅はどれも備えとるな。

 1番ええところはコントロールが乱れへんことやな。これは西純にも言えるんやけど、簡単にストライクが取れるから四球で崩れる心配がない。これは使う方からしたら、信頼できる投手よ。

 あとはフォークで空振りが取れる。打者の反応を見ると、直球と見極めづらいんかもしれへん。これからはもっと低めに直球を投げられるようになると、よりフォークが生きるんとちゃうかな。

 フィールディングもええよな。4月8日・広島戦の延長十一回無死一塁で、堂林のバントを素早いフィールディングで迷わず二塁へ投げて併殺を奪った。ああいうプレーができることも信頼につながる。将来的には抑えを任される可能性もあるやろうけど、今は経験を積んでいく段階やし、八回を投げるのがええやろうな。

 西純は高卒3年目か。登板はまだ2試合やけど、順調に育ってきたことを感じたな。

 肘が伸びたまま投げる「アーム式」の投球フォームやから、フォークがよく落ちとる。打者からしたら150キロ台の直球と、140キロ台のフォークは同じ軌道に見えるんとちゃうかな。三振を取れる武器を持っとることは大きいよ。

 今後、ローテに定着するための課題を挙げるとしたら、あまり投げない120キロ台のカーブの精度を上げて、相手に意識させることやな。今の投球を見ると直球、フォークが中心になっとる。相手は対戦が少なくて対応できてへんけど、何回か対戦すると研究されて対応されるようになる。でも、「カーブもある」と思わせるだけで打者の意識は変わるし、西純にも余裕が生まれると思うよ。

 投手では湯浅や西純のように高卒や、若い選手が成長してきとる。野手からも出てきてほしいよな。

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