阪神・佐藤輝 浜風でほんろう一発&拙守 指揮官「打つことだけじゃないんでね」

 9回、一塁へ悪送球する佐藤輝(撮影・飯室逸平)
2回、佐藤輝は上本の打球にチャージするも及ばず(左)4回、左越えに本塁打を放つ
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 「阪神1-9広島」(9日、甲子園球場)

 快晴の甲子園に、鮮やかな放物線が描かれた。目を覆いたくなるような大敗の中、存在感を際立たせたのは阪神の4番・佐藤輝明内野手(23)だ。こん身の一振りを披露する。

 6点を追う四回先頭、カウント2-2から森下が投じた153キロ直球を一閃(いっせん)。打球が勢いよく、逆方向へ上がる。聖地の浜風を味方につけ、約5秒間の滞空時間を経て、左翼ポール際に2号ソロが着弾した。

 「甘いところに来た球をしっかりはじき返し、ホームランになって良かった」。反撃を信じて応援した虎党を喜ばせた。森下から本塁打を放つのは、昨季の4月14日以来で約1年ぶり。九回にも右腕のカーブを右前にはじき返し、今季5度目のマルチ安打を達成だ。

 ただ、守備では拙守も…。二回、1点を先制されなおも1死二塁の状況で、上本が飛球を打ち上げる。右翼・佐藤輝は一度後退してから、落下点に向かって前進。浜風が強く吹いたことで目測を誤り、右前打としてしまったのは反省点だ。九回には三塁守備で送球エラーもあり、矢野監督も「打つことだけじゃないんでね、野球は」と話す表情は厳しい。

 今季最多の3万8634人の観衆が聖地に詰めかけたが、勝利を届けられず。「明日は絶対に勝ちたい。勝って喜んでもらいたい思いが強い」と必勝を誓い、球場を後にした。

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