【岡田彰布氏の眼】巨人に力負け 阪神・藤浪は「緩急」必要、連敗脱出には「隙を見せない野球」

 「巨人6-5阪神」(1日、東京ドーム)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家の岡田彰布氏(64)が巨人-阪神戦を解説した。4回6失点で初黒星を喫した阪神・藤浪晋太郎投手(27)には緩急の、7連敗を喫した阪神には隙を見せない野球の必要性を説いた。

   ◇  ◇   

 藤浪は打たれた7安打のうち、6本で直球を打ち返された。以前よりも制球がまとまって、球にばらつきが無くなっている分、巨人は直球を狙っていたのだろう。

 2本のソロを浴びた初回のスイングを見れば、捕手・梅野を含めて相手の狙いは分かったはずだ。だからこそ、カーブを使って緩急をつけることが必要だった。

 今年の藤浪は「何かをつかむかもしれない」と思っていた。3月25日の開幕・ヤクルト戦の六回1死。村上に対して、初球からカーブを3球続けて追い込み、4球目のフォークで空振り三振に仕留めた。

 当時は7点差に開いていた場面だったとはいえ、シーズンで緩いボールを試しており、巨人相手にどうやって使うか見ていたが、1球も投げなかった。

 藤浪はフォークもスライダーも球速が出る分、緩急がないと相手も狙い球を絞りやすい。どういう気持ちで投げているかは分からないが、投球は「変化球を投げているから逃げている」というものではないし、彼は結果が必要な立場だ。打者を打ち取るために、カーブの重要性を考えてほしい。

 チームは開幕7連敗となった。外から見ているだけでは分からないとはいえ、開幕戦の四回以降は明るい材料が少ないし、これだけの連敗をすれば、雰囲気は重くなるのは仕方ないだろう。

 過ぎたことを言っても仕方ないが、個人的には青柳にアクシデントがあった後、広島との2カード目に投げた西勇、伊藤将、秋山を、ヤクルトとの開幕カードに持って来ていれば、こういうことにならなかったのでは、という思いもある。

 打開策といっても何とも言いようがないのだが、気持ちの問題ではない。気持ちで連敗を止められるなら、もう止められている。

 今日は点差以上の力負けだった。力が劣るのならば、三回の中野のエラーのように隙を見せてはいけない。

 2日の巨人戦は小川が先発する。前回はいいピッチングをしているとはいえ、まだ経験が浅い投手に連敗ストップを背負わせるのは酷だ。だからこそ、野手は隙を見せず、できることをきっちりやっていくしかない。

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