巨人が藤浪を瞬間攻略 直球叩いて3発は「おそらく狙い打ちだろう」高代氏が推測する根拠
「巨人6-5阪神」(1日、東京ドーム)
巨人打線が阪神・藤浪晋太郎投手(27)に3本塁打を浴びせるなどして6点を奪い、早々と前半でKOした。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏(67)は「すべてストレート。おそらく狙い打ちだろう」と語り、藤浪攻略がベンチの作戦通りに運んだ結果だと推測した。
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巨人打線は明らかに藤浪のストレートに合わせてきていた。初回の攻撃からそう感じたね。
坂本もポランコも155キロ近い球が、内角のそれほど悪くないコースに来ていたが、完璧な本塁打を打っている。おそらく狙い打ちだろう。
先頭打者だった吉川はアウトにこそなったが、第1ストライクのストレートを捉えて、右翼へ強烈なライナーを放っていた。
二回の大城の本塁打も同じ球種。外角の難しいコースの球をうまく左翼席へ運んだものだ。
この試合は“ストレートに的を絞る”というのが、チームとしての作戦だったのではないか。
藤浪のヤクルトとの開幕戦はストレート主体の投球で、内容がよかった。球が走り三振も7つ奪っていた。
当然、巨人サイドもこの映像を見ているだろうし、対策を考えていたはず。“今年はいいぞ”という印象をもったに違いない。そこであえて投球を組み立てる上で軸になる、そのストレートに狙いを定めたのだと思う。
ただ藤浪サイドから見ると開幕戦とは異なり、この試合では肝心のストレートがシュート回転していた。
ボールがシュート回転すると球威が減退。球質も軽くなり、長打を浴びる危険性が高まる。それが3被弾という結果につながったのだろう。
原因がはっきりしているとなれば、逆に修正はしやすいはずだ。ストレートの精度を高めて次回登板に臨むこと。ここが修正できずにいると、昨年までのように苦しむことになる。
阪神はバックも藤浪の足を引っ張ったね。三回無死から平凡な遊ゴロを中野が弾く失策。グラブを引かずに、もうひとつ前でさばけばイージーで処理できた打球だ。
これが失点につながっただけに痛かった。最終的に1点差負けだったことを思えば、悔やみきれないミスだった。
ディフェンスに課題のある阪神だが、重く見るのは単にエラーの数ではなく、ここという時にしっかり守るという“守備力”だと思うのだが。



