「２軍練習試合、阪神４－１西武」（２０日、安芸市営球場）

　またもフェンスにぶち当てた。阪神のドラフト４位・前川右京外野手（１８）＝智弁学園＝が２０日、２軍練習試合・西武戦（安芸）に「７番・ＤＨ」で出場。勢いに乗る若虎のバットが火を噴いた。

　二回１死で迎えた第１打席、武隈の投じた１３８キロ直球をガツン。強く振り抜いた打球は右翼ポール際へグングンと伸び、フェンスに直撃。初めて相対するプロ相手に力を発揮し、１９日の四国ＩＬｐ・高知戦（四回裏終了降雨ノーゲーム）の左中間二塁打に続く“２試合連続フェンス直撃打”をマークした。

　さらにこれだけで終わらないのが前川のすごさだ。六回１死では、黒田の１５０キロ直球を逆らわずにはじき返し、左翼線二塁打として「積極的に振って結果を出せた」と笑顔。平田２軍監督も「堂々としていて何年も（球界で）飯を食ってるような雰囲気。振っていけるのは素晴らしいね」と絶賛の嵐だった。

　安芸では充実の日々を過ごす。宿舎に戻れば、２歳年上の先輩・井上と野球談義に花を咲かせるのが日課。「井上さんとよく話しているんですが、僕にとってのいい見本だと思います」と打撃の意見交換を交わしながら、さらなるレベルアップを目指している。

　マルチ安打の前川だが、井上はそれを上回る３安打２打点。尊敬のまなざしを向けた。「いいところをしっかり見習って、井上さんのように大きくどっしりと打席に立ちたいです」。井上に追いつけ、追い越せの精神で己を磨いていく。