阪神・近本は新打法で200安打できる 藤田平氏太鼓判 新旧バットマン対談

 バットを手に笑顔を見せる近本。今季の活躍をデイリースポーツ評論家・藤田平氏も太鼓判だ(撮影・飯室逸平)※撮影時のみマスクを外しています
 打撃論を交わす近本(左)と藤田平氏(撮影・飯室逸平)
2枚

 現役時代、阪神一筋で2000安打を達成したデイリースポーツ評論家・藤田平氏(74)が、阪神・近本光司外野手(27)と対談した。昨季は最多安打のタイトルを獲得した近本の今キャンプの取り組みなどに迫るとともに、近本のシーズン200安打にも太鼓判。猛虎が誇る“新旧バットマン対談”は卓越かつ秀逸な打撃論が展開された。

  ◇  ◇

 藤田平氏(以下、藤田)「まず、このキャンプを見ていて打撃フォームを変えているように見える。どういうきっかけからかな」

 近本光司外野手(以下、近本)「打つ時に体からバットが離れてしまったらダメだと思うので離れないように。真ん中は普通に打てると思うんですけど低め、アウトコースになると(体とバットが)離れてしまうんです。離れないようにうまく全身を使って打っていくことをやったら逆方向の打球がすごく強くなったりして感覚的にいいです」

 藤田「まだ途中段階といったところ?」

 近本「そうですね。まだ試合でつかめていないので」

 藤田「バッティングを見ていて、ちょっと悩んでいるようなところも見受けられたけど」

 近本「良い時と悪い時があるんで。ティー打撃では全然だめなのに(フリー打撃で)ゲージに入ったら『あれ、めっちゃ、いいやん』って時もありますし、その逆もあります。完全に自分の中で習得していないので。意識しないとできないところで、まだまだというのは感じています」

 藤田「開幕までに間に合うかやね。問題は」

 近本「そうですね。開幕は3月25日なのですが、(スロースターターの)僕の今年の開幕は、できるだけ4月の初めぐらいにしたいと」

 藤田「今年の目標はシーズン200安打やな?去年はシーズン178安打。(200安打まで)残したのは22安打か」

 近本「ハイ!頑張りたいです。今やっていることができるようになれば。低めの変化球を引っかけたり、外のストレートがファウルになっていたものが、レフト前になったりライト前になったりできる形になれば。ただ、それができるようになると高めが難しくなると思う。高め(で攻められること)が最近、増えてきているので、我慢して打てるボールをしっかりと捉えられるようになれば、22本を打てるかなと」

 藤田「可能性としては200安打できる。内野安打も取れるし」

 近本「最近(内野安打が)少なくなってるんです。(相手チームの守備シフトで)ショートとかが前で。特に中日、巨人が前で内野安打が減っているんです。でも、セーフティーバントの数は増えていて、それでヒットも増えてきているので、そういうのを使いながら安打を積み重ねていきたいです」

 藤田「ヒットコースを狙う意識は?三遊間を狙うとか、一、二塁間を狙うとか、センター前を狙うとか」

 近本「去年、三遊間はあまり狙わなかったんです。変化球を打ったら一、二塁間へいくと思っているのであまり意識しないで。今年は三遊間に強い打球を打とうとしているので、変化球を待っていても、ストレートだったりするとポイントが入ってくるので、そのまましっかり振ったら三遊間に飛んでいくような形ができてきている。それを意識してできるようになれば、内野安打も増えてくると思います」

 藤田「1年目はセカンドゴロが多くて、もったいないと思って見ていた」

 近本「一、二塁間が多かったんですよね」

 藤田「打率については?」

 近本「打率は全然考えてないです。ヒット数が伸びていけば打率も勝手に上がっていくのかなと。(200安打なら打率3割は)絶対に打ってるので。でも、首位打者というタイトルに関しては、2位(の打者)との差が縮まっていたら『この打席は立ちたくないな』と思う時があると思うんです。そうなってしまうと、野球の楽しさがなくなってしまうんじゃないかと」

 藤田「フォアボールは狙わないでしょ?オレは狙わなかった」

 近本「狙わないです。打ちたいです」

 藤田「これまでスロースターターと言われていたね。そこはどう?」

 近本「(克服に向けて)こうかなぁっていうのが、ちょっとあるんです。2個くらい。それを試して。1個は試合にならないと分からないことなんですけど、もう1個はタイミングのことです。克服というか解消できるような練習を取り入れています」

 藤田「スロースターターはいいと思う。シーズンは長い。最終的に良かったらいいという感覚が大事だと思う」

 近本「ずっと調子がいいということは難しいと思いますし」

 藤田「キャンプ前の自主トレは1人でしていた。最近は他球団の選手とやる選手が多いけど、どういう意識からなのかな」

 近本「僕は一昨年、(チームメートの)大山や村上と淡路島で自主トレをしたんですけど、やはり僕の中でペースがあるじゃないですか。本当はここで止めたいのに、まだ打つという人がいたら(練習に)付き合ってしまう。それは悪いことではないんですけど、それでは自主トレじゃないかなと思いまして。自主トレの良さは、他の人から話を聞いたりして練習することもあると思うんですけど(個人的には)そういうことをしなくていいのかなと」

 藤田「われわれの時は大体、1人でやっていたね」

 近本「僕の場合、なおさら、あまり野球の練習をしないので。何人かから『一緒に自主トレしたいです』と言われたんですけど、練習しないから満足する自主トレを送れないでしょうし『キャンプに間に合うような自主トレができないから止めといた方がいいよ』と断ったんです。僕としては(1人でやる方が)準備、調整の面で合っているので」

 藤田「1人でやる方がひらめきとかあるよね。(近本が自主トレの)トレーニングで砂浜をトカゲみたいな格好の四足歩行をしたりしていた。野球以外の筋肉を使うことは非常にいいと思う」

 近本「得意ではないんですけど、サッカーをアップとダウンで2回して。島の人たちも集まってくれてサッカーをしたりして。野球ではできない動きをするので、そういうところが守備にも走ることにも生かされるし、すごく良かったと思っています」

 藤田「これからキャンプは中盤から後半に入る。(オフに取り組んだことを)開幕までどれぐらい進められると考えているかな」

 近本「7割ぐらいの状態で開幕を迎えられたらいいかなと思ってます」

 藤田「チームとしては優勝が目標になると思うが、キャンプ直前に矢野監督が今季限りでの退任を発表。どう受け止めたかな?」

 近本「ミーティングの前にラインで連絡をいただいて、そこで知っていたので。このタイミングで言うのかと、ビックリはしたんですけど…。矢野さんに教えてもらったこと、監督としてもそうですが、1人の人間としていろんなことを教えていただいたので、そのことをしっかり選手たちも(周囲へ)伝えていきますし、監督が代わっても、そういうことを僕たちはやっていこうと思っています」

 藤田「(自分の)家族を幸せにする、そういうことも考えながら野球に打ち込んでください。期待しています」

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス