阪神・中野、新人遊撃手100安打到達 球団では吉田義男以来68年ぶり
「中日2-3阪神」(21日、バンテリンドーム)
阪神・中野のユニホームが赤土まみれになるほど、勝利の流れを引き寄せようと必死だった。積極果敢な走塁を披露し、ヘッドスライディングで勝ち取った二塁打-。その執念で放った一打が、球団の新人遊撃手では1953年・吉田義男以来となるシーズン100安打到達へつながった。
「(100安打は)意識はしてなかったんですけど、まずはその数字に乗せることができたことはうれしく思うので、これからも1本ずつ積み重ねていきたいと思います」
場面は同点の八回1死。カウント2-1から又吉が投じた内角直球に完全に詰まらされた。それでも強振したことが幸いし、左翼線に打球がポトリ。それを確認した背番号51は全力疾走で一塁ベースを蹴り、二塁に向かって激走。勢い良く頭から滑り込んだ。
「自分は常に次の塁を狙うという姿勢が大事だと思っている」と中野。隙あらば次の塁を積極的に狙う。その勇気こそが大切だと胸を張る。
三回に近本の先制打が生まれた直後、なおも1死二塁では柳のチェンジアップにうまく対応。飛び込んだ遊撃・京田のグラブをはじく中前適時打で続いた。「何としても走者をかえしてやろう」-。強い覚悟で打席に入り、今季2度の対戦で計17イニング無得点の天敵右腕攻略へ加勢した一撃となった。
100安打に到達した中野に矢野監督も「大したもんやね。ショートは大変なポジション。1年間戦うのも大変な中(100安打は)たまたま出せる数字ではない」と存在感の大きさを口にした。
悲願の優勝へ、2番・中野の躍動は欠かせない。「塁に出ることやクリーンアップに良い形でつなぐことが一番大事。しっかりその役割を果たせるように」。残り28試合、これからもバットで快音を響かせ、猛虎に活気を与えていく。