阪神・矢野監督「球児の球を受けていたのも俺の自慢」 クローザー起用で送り出す

 練習前、投手陣の円陣に加わる藤川
3枚

 阪神の矢野燿大監督(51)が9日、藤川球児投手(40)の引退試合となる10日の巨人戦で、右腕をクローザーとして起用することを明言した。「球児の球を受けていたのも俺の自慢」-。現役時代はバッテリーとして、指導者ではコーチ、監督として虎のレジェンドと接してきた。万感の思いを胸に、最後のマウンドへ送り出す。

 球児の引退試合を2日後に控えた8日、矢野監督は偶然、自宅で懐かしい写真を目にしたという。「ほんとにたまたまやってんけど」。子供がパソコンで昔の写真を見ていた時だった。家族写真に交じった数枚の写真が目に留まる。リーグ制覇を果たした2005年に“JFK”と撮った記念写真だった。

 「自分でカメラを持っていって撮った写真がパソコンに入ってて。そこに『一緒に撮ってくれよ』って、JFKと俺が一緒に撮った写真もあって。俺も若いし、球児も若いし…」

 こみ上げる懐かしい思い出の数々。「だって球児がまだ芽が出ていない時から一緒にやっていたしさ。苦しんでいる時からね」。カブレラ、小笠原に全球予告直球勝負を挑んだ06年、神宮のオールスター第1戦などの名勝負に交じり、思い出したのは“打たれたシーン”だったという。

 「後藤に東京ドームで九回に打たれたのもすごい印象に残っているし、タイロン・ウッズに打たれて負けたのもあった。あんだけ抑えてるのに、そういうのも残ってるんやな、不思議と…」

 03年4月11日の伝統の一戦で九回に浴びた巨人・後藤の同点3ラン、08年CSファーストSで中日・ウッズに打たれた決勝弾…。苦い思い出も鮮明によみがえった。

 「それはもう最後で」と、当日はクローザーとして登板させる。「球児の球を受けていたのも俺の自慢。みんな終わりは来るんだけど、まさか自分が監督をやっている時にそういうふうになるとは想像はしていなかった」

 最後のマウンドへ送り出す時に、胸に去来するのはどんな思いなのだろうか。「その瞬間は別の空間で…。勝ってるとか緊張感のある場面になるかもしれないけど。そこはもう別格なんじゃないの」。勝敗を超越した情景を矢野監督も目に焼き付ける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス