藤田平氏、堀内投手とのライバル対決振り返る 69年5・10超満員甲子園で4の4

 デイリースポーツ評論家陣が現役時代の思い出を語る「プロ野球黄金伝説 令和に語り継ぐ名勝負」。第3回は阪神一筋19年で通算2064安打を積み重ねた藤田平氏(72)が、平松政次投手(大洋)、堀内恒夫投手(巨人)ら同じセ・リーグでしのぎを削った同学年ライバルとの対決を振り返る。

  ◇  ◇

 平松とともに藤田氏の好敵手として、忘れてはいけない投手がいる。V9真っただ中にあった巨人のエース、同じ高卒ドラフト1期生の堀内である。

 「カーブが良かった。ドロップ気味の縦のカーブだった」と特長を振り返る。「けん制もクイックもうまかった。平松もうまかったけど、堀内のフィールディングも野手みたいにうまかった」と認める存在だった。

 通算対戦成績は294打数76安打、打率・259。最初の2年間は打率1割台に抑えられたが、徐々に互角の戦いを演じる。4年目の69年に打率・417とカモにした。

 記憶に残るのが同年5月10日の甲子園。「4の4とか打ったこともある。ものすごく調子が良く、カーブでも何でも打った」という一戦だ。中前打、左越え三塁打、右前打、右翼への適時二塁打と4安打1打点。阪神打線は六回に一挙4得点で堀内をKOし、そのまま4-0で勝利した。

 当時、巨人戦以外で甲子園が満員になることはなかった。観衆5万人超の伝統の一戦は特別だった。「巨人と阪神というのは、対抗意識がすごかった。お客さんも盛り上がった。ああいう中でプレーできたのは野球人として幸せだった」と振り返る。そんな環境下での同学年右腕との真剣勝負が、プロ野球人としての藤田氏を形成したともいえる。

 ◆堀内 恒夫(ほりうち・つねお)1948年1月16日生まれ、72歳。山梨県出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。甲府商から65年度ドラフト1位で巨人入団。66年に16勝を挙げ新人王。最優秀防御率、最多勝、MVP各1回、ベストナインと沢村賞各2回、ゴールデングラブ賞7回。83年現役引退後、2004~05年に巨人監督。08年野球殿堂入り。13~16年まで参議院議員を務めた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス