阪神・中田“暴れ馬”剛球復活でローテ奪う 背水の覚悟「1試合を最後のつもりで」

 ソフトバンクからトレードで加入した阪神の中田賢一投手(37)が11日、背水の覚悟で新天地でのローテ奪取を誓った。兵庫県西宮市の鳴尾浜で自主トレを公開。新年初のブルペン入りで、捕手を座らせて投げた。今季は五輪開催による変則日程で、東京ドームで20試合が予定される。通算61勝をマークし、“暴れ馬”の異名を誇った中日時代の投球で、セ・リーグ打線を封じる。

 鳴尾浜は1月とは思えぬ暖かな風が吹いた。晴れやかな空とは裏腹に、口をつく言葉には重みがある。新天地に移り、阪神・中田として初始動。FA宣言した13年オフ、獲得に動いた“恋人”も38歳を迎える。昨季は1軍登板わずか1試合で、未勝利。不退転の覚悟で2020年に挑む。

 「目の前の1試合を最後の1試合のつもりで。一戦必勝で投げていきたいという気持ちはあります。チームの優勝にしっかりと貢献できるようにしたい」

 熱い言葉通りに、精力的に動いた。この日から鳴尾浜で自主トレを開始。一番乗りで姿を見せるとまず、ウエート場でトレーニング。屋外でのキャッチボール後、今年初めてとなるブルペンに入った。プロ16年目。9日早まるシーズン開幕を意識し、周囲も驚く早めの投球再開となった。

 練習内容にも工夫が見える。捕手を立たせて12球を投げた後、「いろんなバリエーションがある」と、ベース前に座らせ10球。再び立たせてカーブ、スライダー、フォークと計43球を投げた。「トップの位置を早めに作る意識。きょうの課題だと思ったので、すぐに修正したかったです」。実績に基づく経験が確かな練習法になる。

 7年ぶりのセ・リーグ復帰。カギはパ・リーグに比べ、狭くなる球場への対応だ。特に今季は五輪開催による変則日程で、DeNA、ヤクルト戦も含め、20試合が東京ドームで組まれている。過去11試合で2勝4敗、防御率5・29だが、「投げづらい印象はない」というマウンド。“暴れ馬”の異名を誇った剛球復活を掲げる。

 「高めで押し込めるところは、しっかり押し込んでいくのが大事。縮こまった投球をしていたら、気持ち良く振られてしまう。そういうつもりでドラゴンズ時代は投げていた」

 グラウンドでの練習を終えると、甲子園のウエート場に移動。6時間を超えるハードメニューも「(量は)中度です」と笑う。「2月にアピールして、3月のオープン戦でもしっかり投げて。1軍のメンバーに入っていけるようにしたいですね」。背水の覚悟で新天地に懸ける一年。真っ向勝負でローテを奪い取る。

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