メッセンジャーが引退会見 涙流して「想像していた以上に辛い」

涙をこらえながら会見する阪神 ランディ・メッセンジャー
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 今季限りでの現役引退を発表した阪神のランディ・メッセンジャー投手(38)が18日、兵庫・西宮市内のホテルで引退会見を開いた。13日の引退表明後、公の場で口を開くのはこの日が初。ユニホーム姿で登場した右腕は、外国人選手としては異例の引退会見で、涙ながらにファンに向けた感謝の言葉で激闘を振り返った。

 10年間、守り抜いた甲子園のマウンドは、どんな場所だったのか。終始、笑顔で会見を始めたメッセンジャーだったが、10年の軌跡を問われた助っ人は、言葉に詰まって下を向いた。両目から頬を伝う涙。ハンカチで拭うと、震える声で口を開いた。

 「本当に大きな意味を持った場所だった」

 決断は電撃だった。今季、中盤以降は不振に陥り、7月10日・巨人戦は2回4失点でKO。翌日に出場選手登録を抹消された。右肩の治療のため、シーズン中ながらも米国へ一時帰国。懸命に再起を図ったが、12日の四国ILp・徳島戦で5回4失点と本来の輝きは取り戻せなかった。翌13日の午前中、球団に現役引退を申し出て、了承を得た。

 「本当に、いつかこの日がくると分かっていたが、想像していた以上につらい、さみしい。いろんな思いがある。ただ、自分の体がもう、悲鳴をあげている。限界にきていると体が言っているので、仕方ないと思い、決断しました」

 会見の冒頭では自らの口で、引退を決断した胸中を明かした。2010年に阪神入団。当初は中継ぎとして期待されていたが、先発転向後に才能が開花した。11年から18年の8年間のうち7度の2桁勝利を記録。14年は13勝で最多勝に輝くなど、エースとしてチームを支えた。

 節目の来日10年目を迎えた今年を前に、昨年4月には国内FA権を取得。今季から虎の助っ人では史上初めて日本選手扱いとなり、外国人登録枠を外れた。今シーズンは5年連続6度目の開幕投手に指名され、4月5日・広島戦では日米通算100勝を達成した。だが、目標にしていた日本通算100勝まで、あと2勝と迫りながら自ら身を引いた。

 常にフォア・ザ・チームの精神で、中4日での先発マウンドもいとわず、どんな状況でも右腕を振り抜いた。17年には8月に右足腓骨(ひこつ)骨折の重傷を負いながらも、CS直前に復帰。DeNAとのファーストS第1戦では、6回無失点の好投で勝利に貢献した。藤川が「エースだった」と称賛すれば、福留は「正直、まだできるんじゃないかと、外国人選手とか関係なくね、学んでいくべき姿勢だった」と、早すぎる決断を惜しんだ。

 長年、チームを支えた功労者として、今後はポストも用意される見通し。また、引退試合は29日の中日戦に決まった。「これまでたくさんの応援、サポートに感謝したい。自分自身が野球をやっている姿で、みなさんが笑顔になってくれる。そんな経験はなかなかない。たくさんの経験をさせていただいた。最後、甲子園で投球する。チャンスがあれば、球場に足を運んでもらって、投球をみていただければと思います。心に残る投球がしたい」。常に目標として口にしてきた優勝には、あと一歩及ばなかった。それでも青き目をしたサムライとして、チームメートに慕われ、ファンに愛されながら、タテジマのユニホームを脱ぐことになった。

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