矢野阪神、Wショック…通算5000敗で自力CS消滅 好機で凡退続き逆転負け

 「阪神4-5ヤクルト」(10日、甲子園球場)

 阪神が痛い逆転負けを喫し、自力でのCS進出の可能性が消滅した。この黒星で史上3球団目となる通算5000敗という不名誉な記録も加わった。矢野燿大監督(50)は先発の秋山を三回で早々と見切り、継投策に打って出る積極的な采配を見せたが、打線が同点に追い付くも勝ち越しの一打が出なかった。3位・広島とのゲーム差は4・5。いよいよ後がなくなってきた。

 真夏のような暑さが不快感を倍増させた。九回1死一、二塁からサヨナラ勝ちを逃してため息が充満。直後の延長十回2死三塁は、ドリスが決勝点を奪われて悲鳴が響いた。

 ファンはヤジを飛ばし、席を立つ。史上3球団目の通算5000敗を喫し、自力CS進出が消滅。甲子園には不穏な空気が流れた。

 矢野監督も生気のない表情で視線を落とした。「九回だけじゃないよね。やっぱり点を取るところで取れてないっていうのは、うーん…。こういう試合になるよね」。試合後の会見は約1分。どんな時も丁寧な受け答えを見せる指揮官が「いいですか?」と切り上げるほど、敗戦のダメージは大きかった。

 3位・広島との直接対決に負け越して帰ってきた本拠地での3連戦。序盤の苦しい展開の中、指揮官は諦めない姿勢を体現した。三回表終了時点で1-4。打線が2死一塁から3連打で1点差とすると、2死二、三塁で先発・秋山に代えて代打・上本を起用した。

 この試合は、7連戦初戦。先発の早い回での降板は11日以降、中継ぎ陣に負担を掛ける可能性が高くなる。「そんなん言うてられへんしね。もうね、そんなことは分かってることやけどいくしかないのでね」。貪欲に目先の勝利を取りに行く起用を見せた。

 結果、上本は空振り三振。それでも四回に福留の犠飛で同点に追いつくと、投手起用でも攻めた。島本、岩崎に2イニングを任せ、ジョンソン、藤川も投入。指揮官は「中継ぎ以降は自分の投球してくれた」と救援陣をねぎらったが…。打線が誤算だった。

 五~九回は毎回走者を出しながら決定打を欠いて2連敗。CS圏内となる3位・広島が勝ったため、4・5ゲーム差に広がった。

 数字上はまだCS進出の可能性は残されているが、厳しい状況となった。早ければ13日にリーグ優勝も完全消滅する。

 泣いても笑っても残りは14試合。「前向いてやるしかないんでね。前向いてやります」と指揮官。奇跡を信じ、矢野阪神の野球を貫く。

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