矢野阪神 球団5000敗リーチ 鯉に負け越し5差 10日にも自力CS消滅

 7回、選手交代を告げ、重い足取りでベンチに戻る矢野監督(中央)。右端は併殺打に倒れた代打・鳥谷
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 「広島3-2阪神」(8日、マツダスタジアム)

 打つべき手は打ったんやが…。阪神はAクラスを争う広島3連戦に負け越し、10日にも自力CS進出の可能性が消滅する窮地に追い込まれた。史上3球団目の5000敗にもリーチがかかった矢野燿大監督(50)は、試合後の会見で絶句。普段は負け試合でも言葉を発するだけに、敗戦のダメージの大きさを物語ったが…可能性が残されている以上、前を向くしかない。

 計り知れないショックを受けた。矢野監督は敗戦後、波打つ真っ赤なスタンドには目もくれず、三塁ベンチ裏の会見場へ。最初の質問で2点を奪った八回の攻撃について聞かれると、「うーん…」と切り出した後、うつむいて絶句。5秒ほど言葉が出てこなかった。

 CS進出をかけ、3位・広島との直接対決3連戦で、痛恨のカード負け越し。普段は負け試合でもしっかりとコメントを残す指揮官。そのうつろな視線が、ダメージの大きさを物語っていた。

 「どんな形であれ、勝ちたい、最低でも勝ち越して帰りたいというのはあったんで。総力戦になるというのはもう試合前から思っていたし」。投打で積極的に仕掛けたが、期する思いとは裏腹の展開が続いた。

 中4日で先発してきた広島・ジョンソンに対し、指揮官は「早い回で何とか1点でも取りたかった」。打者には積極的な攻撃を指示。浜中打撃コーチは「他球団もそうだけど、追い込まれると(被)打率が低い。こちらから仕掛けていかないといけないと思っていた」。犠打、四球以外の打者20人のうち、16人が3球目までに結果を出す早打ちも…攻略には至らなかった。

 投手起用でも先発・岩貞が三回に2点を先制されると、64球ながら五回の打席で代打を送った。「一番、勝てる方法を探したらそうなった」と言うが、直後に投入したドリスが痛恨の3点目を奪われた。以降もリードを許した展開ながら、島本、岩崎、ジョンソンと勝ちパターンの投手をつぎ込んだ。

 反撃も一歩及ばず、これで球団通算4999敗目。史上3球団目の5000敗にリーチがかかり、3位・広島とは3・5ゲーム差、5位・中日には0・5ゲーム差と迫られた。

 早ければ10日にも自力CS進出の可能性が消滅するなど、限りなく状況は厳しい。それでもまだ諦めるのは早い。清水ヘッドコーチは「終わったことは仕方ない。まだ分からないからね、クライマックスシリーズへ向けては。1個でも勝てるように頑張ります」。可能性が残されている限り、ファイティングポーズは崩さない。

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