鳥谷、去就「まだ考えてない」会談で来季方針聞く 球団側は避けたい他球団への流出

 「阪神1-4巨人」(30日、甲子園球場)

 来季の去就に注目が集まる阪神の鳥谷敬内野手(38)が30日、試合前練習後に取材に応じ、29日に球団側から来季の方針を聞いたことを明かした。足を止め、落ち着いた表情で「自分がこれからどうするのかは、まだ考えていません」と言葉を紡ぎ、心境を吐露した。

 不変だった。この日も誰よりも先に雨音が響く室内練習場へと向かう。汗が滴り落ち、乾いた音が鳴り続けた1時間半。走り込みに、マシン打撃…。まだ誰もいない練習の場で一人、変わらない気持ちで、いつも通りの準備を進めていた。

 この日の午前中には、谷本修球団本部長も取材に対応。歴史をつないできたベテランに対し、「自分で出処進退を決めるべき数少ない選手」と敬意を払い、結論については「答えはまだ全然出ていないです」と話すにとどめた。本人の希望に応じて引き続き、会談の場を設ける意向も示し、他球団への流出は避けたい思いも見え隠れした。

 遊撃再挑戦で迎えた今季も残り少なくなった。断続的に降り続く雨の影響で、1時間遅れのベンチ入り。だが、そこには笑顔の鳥谷の姿があった。「最後になるかもしれないから」。神宮の空につぶやいた不退転の覚悟を胸に己と戦い続ける。

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