大山、光と影 初回先制3ラン虎一番乗り2桁弾!九回サヨナラ機凡退…4番の宿命だ

 1回、先制3ランを放ち、梅野(左)とタッチを交わす大山(撮影・高部洋祐)
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 「交流戦、阪神4-9楽天」(19日、甲子園球場)

 誰もが勝利を確信した一発だった。阪神・大山悠輔内野手(24)が初回、1死一、二塁から左越えに10号3ランを放って先制した。2年連続2桁本塁打到達を決める17試合ぶりの一発。しかし、4番の一振りは勝利につながらず、チームは引き分けを挟んで5連敗となった。

 光と影が差し込んだ。4番として全うした役割と、果たせなかった仕事。大山がうつむく顔を、懸命に上げた。悔やむのは、サヨナラ勝利を呼び込めなかった九回の攻撃。あふれる思いを、必死に押し殺した。

 同点で迎えた九回だった。つないで、つないで…その舞台は整う。先頭の近本が四球を選び、糸原も犠打をきっちりと決めた。糸井は右前打でチャンスメークする。さぁ、4番へ。最高のお膳立てだった。楽天内野陣は前進守備。だが、その2球目だった。150キロの直球をはじき返すと、打球は遊撃正面に。三走・近本は本塁で刺され、試合を決めきることができなかった。

 それでも大きな先制点をもたらしたのも、4番のバットだった。初回1死一、二塁の好機で、1ストライクからの2球目。127キロのスライダーをフルスイングで捉えると、打球は大歓声に後押しされるかのように左翼ポール際へ。「切れなくてよかったです」。4番の大仕事、節目の今季10号3ランだ。遠かった一発。17試合ぶりに放った推定120メートルの特大弾で、試合を一気に動かした。

 ここまで4番として69試合に先発出場していた。喜びも、悔しさも、胸に刻み、前へと進み続ける日々。自覚と覚悟が言葉に込められる。「自分の結果が、チームの勝敗に関わってくる。しっかりやらないと」。チームの勝敗を背負う。それが4番の宿命だった。

 延長十回、5点ビハインド…。仲間の最後の攻撃を、ベンチ最前列でじっと見つめた。勝利に届かなかった、2年連続2桁本塁打となる節目の10号アーチ。「負けたので意味ないです」。勝ってこそ輝く一打がある。悔しい逆転負けで、チームは5連敗。試合終了後の整列時、声援を送り続けてくれたファンへ。大山は深く、丁寧に頭を下げた。

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