巨人・戸郷の胸に刺さった阿部監督の言葉 「こんな年もあるんだよ」に続いた「過去のことは忘れちゃいけない。でもな」
「ヤクルト0-2巨人」(19日、ヨークいわきスタジアム)
巨人が7連勝を飾った。開幕1軍を逃して苦しみ続けた先発・戸郷翔征投手が7回5安打無失点の力投で三度目の正直となる今季初勝利を挙げた。打線は初回に平山が左翼席へプロ初の先頭打者本塁打を放つと、さらに大城の適時打で2点を先制した。
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戸郷には胸に刺さった言葉がある。昨年の球団納会。あまり多くを語らない阿部監督がポツリとつぶやく。「こんな年もあるんだよ」。1年間、苦しみ続けたエース復肩へ。寄り添いながらも、ゲキを飛ばす。指揮官の思いには続きがあった。
「(不振は)誰にでも起こりうることで、ただ、前を向かなきゃいけない。そのために『前進』っていうスローガンを来年は掲げるから。もちろん、過去のことは過去のことで忘れちゃいけない。でもな、前を向いてやることが重要なんだよ」
2度の2軍再調整を経験した初めての挫折。プロ入り後、初めて減俸にもなった。結果が全ての世界だ。その過程にはなかなか目を向けられない。「僕の立場的にね絶対やらなきゃいけない立場ですから」。見てきた菅野智之という大きな背中に差を感じ、責任感の強さから苦しさは増した。
過去は消えない。だからこそ、立ち止まるわけにはいかない。「監督の言葉は、僕の心にすごく刺さりましたし、まだ…まだまだなんだなって」。今季は開幕1軍を逃し、初先発から2度勝てなかった。期待を裏切ってもなお、信じてくれる人がいる。大きく前進する一年はここからまた始まる。(デイリースポーツ・松井美里)
