阪神・ドラ1立石 初スタメン、初打席、初球、初安打!「スタート切れたことが一番うれしかった」 ドラ1カルテット8安打
「阪神4-2中日」(19日、倉敷マスカットスタジアム)
ドラ1伝説が岡山・倉敷で幕を開けた。阪神ドラフト1位・立石正広内野手(22)=創価大=が、この日初めて1軍に昇格。「6番・左翼」でスタメン出場し、二回のプロ初打席の初球を中前に運びプロ初安打を記録した。チームの11安打中“ドラ1カルテット”が8安打。黄金ルーキーのデビュー戦を先輩がド派手に飾り、交流戦前の勝ち越しを決めた。
まだ明るさの残る吉備の国で、記念すべき一打を放った。立石は一塁ベース上で強く手をたたき、拳を握った。普段はあまり感情を表に出さない男が、たまった思いを爆発させた。
「初めてこの環境で野球をして、スタートを切れたことが一番うれしかった。ベンチの人たちもすごく祝福してくれたので、ガッツポーズしたくなりました」
二回、先頭で立石の名前がコールされると、待ちに待った虎党から、大きな拍手が起きた。相手は今春のWBCでも侍ジャパン入りした金丸。その初球、左腕自慢の真っすぐを捉えた。快音を残した打球は中前に弾むと、球場360度から大歓声が上がった。阪神ドラフト1位の初打席初安打は、2016年の高山俊以来10年ぶりだった。
大きな期待を背負って入団したが、デビューまでの道は険しかった。1月中旬、新人合同自主トレでベースランニング中に右脚の肉離れを起こした。これを皮切りに3月下旬には左手首の関節炎。4月中旬には右太もも裏の筋損傷とアクシデントが続いた。
慣れない環境での試練。ただ、立石にはケガを乗り越えてきた過去がある。中学3年時に腰痛を発症。中高一貫の高川学園で、当時はすでに高校生と練習していた。先輩たちが厳しいランメニューをこなす中、すぐ横で、自分ができる練習に取り組む姿があった。
同校野球部の西岡大輔部長は「そのへんのずぶとさ。自分のできることをやるだけっていう感じ。ブレないところがあった」と振り返る。プロに入って、度重なるケガがあっても、後ろ向きには捉えなかった。「そんな甘くないと思っていた。着実に段階を踏んだからこそ、いいスタートを切れたと思う」とうなずいた。
壁に当たったときは、弱音を吐かず、とにかく練習する。バレーボール女子日本代表でバルセロナ五輪でも出場した、母・郁代さんの教えだ。「そのおかげで、一瞬も満足をしたことはない」。どんなに苦しんでも。どんなに注目されても。変わらず前に突き進んだ。だからこそ、今がある。
プロでの大きな一歩を踏み出した立石。4打数1安打でデビュー戦を終えた。「緊張もしましたけど、これで終わりではない。通過点だと思って、これからも続くので気楽に行きたい」と表情を引き締めた。虎の未来を担う、黄金ルーキーの伝説が始まった。
◆立石正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日生まれ、22歳。山口県出身。180センチ、87キロ。右投げ右打ち。高川学園では3年夏に甲子園出場。創価大を経て、25年度ドラフト1位で広島、日本ハムとの競合の末に阪神の指名を受けた。今季推定年俸1600万円。
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