矢野2軍監督6度舞った 「超積極的」プレー 来季は1軍で見せてくれ! 

 「ウエスタン、広島4-0阪神」(22日、由宇球場)

 阪神がウエスタン・リーグで8年ぶり16度目の優勝を決めた。優勝マジック「1」として迎えた同広島戦(由宇)には敗れたものの、2位・ソフトバンクが敗れ、歓喜の瞬間が訪れた。キャンプ前に掲げたスローガン「超積極的」を浸透させ、最高の勲章を手にした就任1年目の矢野燿大2軍監督(49)は6度、宙を舞った。10月6日のファーム日本選手権(サンマリンスタジアム宮崎)で巨人と対戦する。

 思い描いていた幕切れではなかった。勝って優勝はできなかったが、最高の結果を手にした事実は変わらない。「超積極的」を一年間、グラウンドで体現した選手たちに身を委ね、宙を舞った。14時47分の試合終了から約90分後に計6度の胴上げ。「ちょっと気持ち的には微妙な、勝って胴上げしてほしかったけど、気持ち良くて」と、端正なマスクに照れ笑いが広がった。

 ホーム最終戦となった21日のソフトバンクに敗れ、甲子園での胴上げは実現しなかった。「甲子園で優勝したかったのが残念な部分」と率直な思いを吐露したが、「チームとして『輪』にはなっていたんちゃうかなって。人それぞれ役割は違うけど、そういうのをみんなやってくれて」と一人一人をたたえた。

 選手の可能性を広げ、潜在意識を呼び起こした。チーム盗塁数160はリーグ新記録。中堅選手が率先して動き、若手の指針に。「そういうのが、タイガースの伝統として『当たり前』になってほしい」と願った。

 夫人の誕生日にちなんで背番号は88。「日本の男性って、奥さんを大事にすることを恥ずかしいと思うじゃん。そういうの、なくなればいいな」。今年、夫人の誕生日は鳴尾浜で試合だった。自宅から自転車で通う指揮官は帰り道に「花束」を買い、毎年書き続けている感謝の手紙と一緒に添えた。「自分の一番身近な人を、幸せにしないとね」。グラウンド外でも、誰かを喜ばせることをいとわなかった。

 ファーム日本選手権は史上初の阪神-巨人戦。「負けていい勝負ってないから。やる限りは全力尽くして」と鋭いまなざしを大一番に向けた。「超積極的」が間違いではなかったことを証明したシーズン。勝って胴上げする瞬間は、次戦に取っておく。

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