福留、貫禄V弾 3戦ぶりスタメン復帰即!初回いきなり圧巻アーチ

 「中日2-5阪神」(22日、ナゴヤドーム)

 暗雲を振り払うかのような、完璧な弾道が右翼スタンドへ伸びていった。力と技が合わさった美しい一発。阪神・福留が先制の12号2ラン。休養十分の主将がかつての本拠地で躍動した。

 初回、1死二塁の場面。「積極的というのは、常に思っている」と小熊の初球、142キロ直球を振り抜いた。青く染まる右翼席に弾丸ライナーが突き刺さる。軽快にダイヤモンドを一周した。

 先発出場した18日のヤクルト戦(神宮)は5打数無安打。そこから2試合スタメンを外れ、ベンチスタート。そしてスタメン復帰となったこの日の第1打席でいきなり本塁打。勝ち星から遠ざかっている才木の背中を、力強く後押しした。

 中日戦およびナゴヤドームでは今季初本塁打だ。「ゲームの数も少ないし、そんなに打てるもんじゃないのでよかった」。中日戦は2017年10月10日(甲子園)以来、ナゴヤドームでは同年8月19日以来の一発だった。

 三回の第2打席でも変化球をうまく捉え、中堅右にクリーンヒット。スピードを緩めることなくベースを蹴り、二塁を狙おうかという勢いのオーバーランを見せた。41歳。勝利への執念が、走塁面でもにじみ出ている。

 打撃練習のルーティンは決まっている。ティー打撃をする際は手袋のバンドを外して行う。左手を腰にあて、右手1本でスイングするなど独特な練習方法も。試合の第1打席、その1球目から思い切りスイングできるのは、入念な準備があるからこそだ。

 取材を終え、バスへと乗り込む瞬間、すぐ後ろにいた植田と糸原の進路を妨害。そして「俺より先に乗る若手がおるんか?」とニヤリ。打撃、そしてジョークのキレも絶好調な福留が、チームの順位を押し上げていく。

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