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セ界トップの防御率の要因は…適性判断する前に若手投手を先発起用で育成

キャッチボールで調整する小野(撮影・高部洋祐) 
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 独自の視点からプレーの深層に迫る「虎目線」-。阪神先発陣で世代交代を進めながらリーグ1位の防御率3・77をマークする要因を検証します。香田勲男投手コーチ(53)は新入団の選手については、適性を判断する前に全員を先発からスタートさせる施策を徹底。1週間スパンで実戦登板、強化トレーニング、投球術を学ぶ時間を組み合わせることで若虎たちが飛躍できる環境を整えている。

 小野、才木、高橋遥、馬場、谷川、そして望月-。若手投手が次々と1軍のマウンドを踏み、結果を残している阪神の投手陣。世代交代は着実に進み、開幕から先発ローテをまかなっているのはほぼ20代の選手たちだ。

 3年前とはほぼメンバーが異なる中でも、チーム防御率3・77はリーグトップの数字。なぜ若手が伸びてきて、好成績をマークできるのか-。その理由の一つとして挙げられるのが、香田投手コーチが推奨した“先発スタート”方策だ。

 香田投手コーチ「ルーキーはまず入ってきたら全員、先発で起用するようにしている。育成の観点から見ても、先発ローテで回した方がトレーニングの時間を作りやすい。野球の勉強もできるしね。そこから数年後、適性を見てリリーフに回っても決して遅くはないと思う」

 実際に昨年、1年目の才木がファームで経験したスケジュールを追って見ると、1週間に一度の先発登板を組み込み、休養日、調整日を設定。残り4日間は強化トレーニング、そしてネット裏でゲームのチャート記入を行っていた。本隊が鳴尾浜で試合を行っている間にサブグラウンドで福原投手コーチと強化ノックを行うなど、時間を有効活用していたのが印象に残る。

 仮にリリーフで起用となれば、毎試合、ブルペン待機が必要となり、コンディションも整えなければならない。トレーニングの強度は落ち、ネット裏から他の投手がどういうボールを投げているか、どういう配球をしているか、じっくり勉強する機会もなくなる。

 香田投手コーチ「それによって一番、怖いのは若い子がピッチングを勉強しなくなるということ。リリーフで調子のいい時であれば、1イニングは根拠がなくても抑えられる。一方で自分の状態が悪くなった時に、抑える“引き出し”を持ってないとズルズルいってしまう。引き出しを作るためにも若い時に長いイニングを経験したり、他の投手のチャートをつけて勉強することはすごく大切だと思う」

 今季、若手投手の投球内容を見れば、結果が出なかった次の試合にきっちりと修正できている。才木は5月20日の中日戦で初先発し5回5失点でKO。コーナーを意識しすぎて自滅したが、5月27日の巨人戦では腕を振って直球をゾーンに投げ込むことを意識し、6回無失点の好投で初勝利を挙げた。

 考える力を育むことによって得られる“抑える手段”。1軍の舞台でも、その事実は「結果」の2文字となって表れている。

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