「中日１－２阪神」（１９日、ナゴヤドーム）

　打率・０００の男が魅せた“特大ホームラン”。守備固めで登場した阪神の俊介が八回、神業キャッチで反撃の芽を摘んだ。「捕れてよかった。ここまで勝利に貢献できていなかったので」。ベンチ前で仲間に出迎えられ、ようやく笑みを浮かべた。

　この回から中堅に入ると、２死二塁で大島の打席だ。芯で捉えたライナー性の打球が正面から襲ってきた。リードは１点。前進守備を敷いていた俊介は即座に必死の背走。グラブの網部分で捕まえると、後ろに倒れ込みながら離さなかった。

　「最初は低い打球が来ると思ったけど、よかったです。守備固めで出るということは、そういう役割なので。守備は絶対（ミスなし）だと思っています」

　開幕から９試合の出場で１５打数無安打。結果が出ず、１人苦しんでいた。抜けていれば同点、逆転の危機すらあった１プレー。中村外野守備走塁コーチは「ホームランくらいの価値がある。スーパープレーと書いてくださいね」と称賛した。競り勝った３連勝。中堅の存在感が光った勝利だ。