福留インタビュー(2)打線を意識 4番ロサリオへつなぐ

 阪神の福留孝介外野手(40)がデイリースポーツの単独インタビューに応じ、若手の競争が個人対個人ではなく、28人の開幕1軍枠をかけたサバイバルとなっていることへの手応えを明かした。チームにいい雰囲気が生まれている現状を明かしつつ、自身は4番・ロサリオにつなぐため、ウイニングショットを仕留めて“打線”にしていく考えを語った。

  ◇  ◇

 -自身が主将に就任して、野手が投手のことを、投手が野手のことを考えてプレーする雰囲気が出てきた。

 「やっぱりそれはね、チームとして戦う上ですごく大切なことだから。ピッチャーはピッチャーだけというわけにはいかない。ピッチャーが投げているときは野手が守っているし、野手が打てないときはピッチャーが守ってくれているし。ピッチャーが点を取られて苦しいなというときには、野手が点を取り返してあげてピッチャーを楽に投げさせてあげるとかね。それで負けが消えればすごくいいことだし、お互いが持ちつ持たれつの中でやっているわけだから。その中でピッチャーと野手が一緒にやっていかないといけないよね」

 -優勝から遠ざかっているチームは、投手と野手を分断して考えている傾向がある。

 「僕が入る前のタイガースがどうだったかは分からないし、知っていることもないんだけど、今は今で流れというものがあるし。その中で、みんながそういう意識でやっていければ何の問題もないと思うけどね」

 -去年は岩貞が「野手のリズムを考えて」と投球前のルーティン動作を省略した。

 「それでお互いにいい効果が生まれれば、僕はそれでいいと思うし。ルーティンをなくしたことで、もし岩貞がダメになってしまうのであれば、また違うやり方を考えていけばいいと思うしね」

 -話題は個人のことへ移るが、キャンプ終盤からだいぶスイングが強くなってきた印象がある。

 「いやいや。もう振れているというか、ちょっと強く振る日を作っているという感じ。そうじゃないときもあるしね。そうやっていろいろやっておかないと、体も動かなくなってくるから」

 -ここまでの調整を見ていると、順調にメニューを消化できている。

 「それはもう自分で考えてね。初めてキャンプを過ごすわけじゃないから」

 -バッティングで去年のデータを見ると、相手投手のウイニングショットを捉えている割合が高い。

 「それはたまたまじゃないの?(笑)。自分の中であまり意識したことはないんだけど、そういう配球が多かったというのもあるだろうしね」

 -2月25日の中日とのオープン戦でも追い込まれてから、三振を奪いに来たボールをしっかり捉えていた。

 「相手も初めての対戦(新外国人のガルシア)だったし、これからまた当たる可能性もあると考えればね。あと最初だったので、あまり積極的にという考えはなかったので。カウント3-2までしっかり見ることができたということを考えれば、自分の中では『よし』だったのでね。あとは追い込まれたら、バットに奇跡的に当たった(笑)」

 -追い込まれてからの意識はどういうところに置いている?

 「やっぱりね、簡単に三振だけはしないように。何とかしてチームのために1球でも多くね。特に初対戦の投手のときは、チームのみんなに見せられるというのは大きいと思うし」

 -金本監督は3番の構想を口にしている。初回の第1打席で相手投手のウイニングショットを仕留められれば、チームにも好影響を与え、相手にダメージを残す。

 「今のところ、何番になるかも分からないんだけど、こればっかりは開幕してみないと分からないんだけど。そうやってね、次のバッターに対して有利になるようなことができれば、それはそれでいいと思うし。とにかく“打点”になってしまわないように。常に“打線”であるようにという思いはあるんでね」

 -中日時代から追い込まれたときでも膝元の変化球を右翼線に持っていくイメージがすごく強かった。

 「自分に対しての攻め方というのはある程度、出てくるからね。ここが打てないだの、ここが弱いだの。そういうデータは出てくるから。そこで自分の中での経験が増えていくだろうし、ビックリすることではないと思うんだけどね。やっぱり低めの変化球を打てているということは、そういう攻め方を相手がしてきているということだと思う。去年は4番を打つこともあったし、そういうこともあったと思う」

 -今年はロサリオが打線の軸に座ってくれる。

 「それはもちろん、チームにとって楽だと思うし、核となるバッターがどっしり座ってくれているというのはすごくいいことだと思う。あとは周りが流動的にいろんなことが起こると思うけど、それは悪いことじゃないと思う。やっぱり4番が簡単に休んだりするよりはね」

 -開幕まで1カ月、自身としてはどのような調整を。

 「僕自身はやっぱりケガしないように。ケガしない中で自分の状態を上げていく。実戦感覚を戻していくという作業をしながらになりますね。もうそれだけです」

 -去年とのコンディションの違いはある?

 「特にそんなには感じていない。でも悪くはないと思うし、よくはなっていると思うよ」

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