阪神、清宮に熱意伝えた「1位で指名させていただく」異例!面談の場で約束

 阪神が2日、今秋のドラフト候補の目玉・清宮幸太郎内野手(18)=早実=と東京都内の同校で面談を行った。計10球団が会場を訪れ、阪神は8番目に登場。出席した佐野仙好アマ統括スカウト(66)は「1位で指名させていただくことを伝えた」と、26日のドラフト会議での1位指名を本人に約束し、虎の熱意を伝えた。

 直接目を見て、じっくりとお互いの意見を交換した。そして伝えた。「1位で指名させていただく」-。佐野アマ統括スカウトの表情は、満足感であふれていた。育成プランなどについても言及。その具体的な内容は明らかにはされなかったが「うちも育成(を重視する)という中で、こういう形でやらせてもらっている」と資料などを使って説明した。

 詰めかけた報道陣で、大物ドラフト候補・清宮が通う早実は朝早くから慌ただしかった。午前9時半。オリックスを皮切りに、続々と各球団の関係者が同校を訪れる。阪神は10球団中8番目に佐野アマ統括スカウトら3人が現れ、清宮本人やラグビー・トップリーグ、ヤマハ発動機監督の克幸氏、母・幸世さんらと対面。約30分間、“恋人”との意思疎通を図った。

 本来、面談は球団側が環境面や育成システムなどを説明し、選手側はそれについて質問したりする場。また球団側は本人と初めて接触することで、選手の性格面などを把握できる。そのような席で「指名する」といった言葉を直接本人に伝えるのは異例だ。

 加えて清宮の場合は複数球団の競合が必至で、球団によっては直前で指名を回避し他選手の一本釣りへ方針転換する可能性もある。そんな中で阪神は、以前から公言してきた「1位指名」を生の声でしっかりと約束し、本気度を示した形だ。

 話題性、そして何より技術が備わった将来性抜群のスラッガー。長年、和製大砲の不在に苦しむチーム事情だけに、是が非でも獲得したい逸材だ。今季は就任2年目の金本イズムが浸透し始め、厳しい指導で150キロ前後の直球を打ち返す力、簡単に三振しないなどの課題克服に努めてきた。指揮官と同じ左打者という点でも、清宮のさらなる成長は見込める。甲子園のスターを、“本物”にする環境は整っている。

 清宮はプロ志望を表明した際に、基本的に12球団が選択肢になる姿勢を示し、同時に「自分を厳しく育ててくれる球団に入りたい」と話した。もちろん清宮自身の意思で球団を選べる訳ではないが、虎の誠意は伝わったはず。もう一度、聖地へ戻ってきて暴れ回ってほしい。26日、吉報を待つ。

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