金本監督、執念采配も…中谷応えられずスリーバント失敗

 「ヤクルト6-2阪神」(22日、神宮球場)

 猛虎打線が拙攻に沈んだ。阪神・金本知憲監督(49)は2-4の六回無死一、二塁で、3番の中谷将大外野手(24)にスリーバントのサインを出したが、失敗。期待の若虎がベンチの采配に応えられない姿に、語気を強めて叱咤(しった)した。14連敗で7月未勝利だった最下位のヤクルトに不覚の1敗。9ゲーム差と広がった首位・広島の背中は遠いが、切り替えて前を向くしかない。

 三塁側のスタンドからはため息が響く。望んだ結果は生まれない。肩を落としながら中谷が帰ってきたところで、ベンチにいた金本監督は厳しい表情で声を荒らげ、何か言葉を発していた。流れをつかみかけたところでの痛いミス。感情を放つのも無理はない。

 「まあ、あれで大きく変わりましたね。流れが」と金本監督。追い付けそうでとらえきれず、突き放されてしまった展開。ヤクルトに7月初星を献上することになった敗戦は、拙攻によるもの。分岐点はあった。そこを生かせなかった。

 「状況判断、まあバントなんか状況判断は関係ない。ストライクを2球見逃して(初球は見逃し気味に遅れた形で公式記録は空振り)状況判断もない。バントをやるだけだから。やった上での失敗ならまだ分かるけど」

 六回だ。西岡の内野安打と上本の四球で無死一、二塁。ここで続く中谷に送りバントを命じたが…。初球は遅れ気味に反応して空振り。2球目を見逃して追い込まれると、3球目はバットに当てながらもファウルとなり、スリーバント失敗。続く福留、ロジャースが連続三振で無得点に終わった。

 「そういうところ(状況判断)が一番、彼が足りないところだから。もう、何試合出てる?経験は積んでるはず、そこそこ。(打撃面での成長を問われ)考える力ですよ。状況を読む力というか。教えていかないと…教えてもできないというね。口酸っぱく言ってるんだけど」

 期待が大きいからこそ口調も厳しくなる。この試合、中谷は初回1死一塁で、フルカウントから外角低めのボール球に手を出して空振りし、二塁へスタートを切った西岡も刺されて併殺となっていた。「(投球は)ワンバンですよ。あそこを彼がどう考えるか…ですよ」。それだけに、六回に取り返してほしかったが…。

 試合後、中谷は「言い訳はできないです」とだけ話し、バスに乗り込んだ。まだ発展途上の選手1人に責任を負わせられないが、ワンプレーの重みも受け止めてほしい。若虎の成長がなければ、勢いは付かないままだ。

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