鳥谷5打点で鯉3連倒 黄金5連勝大トリ!先制打&中押し打&トドメ犠飛

 「阪神6-0広島」(7日、甲子園球場)

 生え抜きのベテランが超満員の甲子園を沸かせた。阪神・鳥谷敬内野手(35)が2安打5打点の大活躍だ。四回に先制の2点右前打。六回には中押しの2点中前打。八回にもダメ押しの右犠飛でチームの5連勝に貢献。痛快な鯉叩きで黄金週間を締めくくり、2位・広島とは1ゲーム差に広げた。この勢いで9日から東京ドームに乗り込み、宿敵巨人も蹴散らすでぇ!

 4万6567人が詰めかけたゴールデンウイーク最終日。歓喜に沸く大甲子園のど真ん中で、主役をさらったのは鳥谷だ。九里を打ち砕き、鯉の息の根を止める2安打5打点の大活躍。福留と並び立ったお立ち台で、勝利の喜びに浸った。

 「去年、だいぶ広島にやられていましたので、そういう意味で3つ勝ててよかったと思います」

 0-0の四回。無死一、二塁のチャンスで、福留はセーフティーバントを試みた。ファウルにはなったが、つなぐ意識の大切さをチーム全員が共有。「何とかかえしたいという気持ちがより強かった」。主将の心意気を感じ、鳥谷にも火が付いた。

 2死後、九里の甘く入ってきた変化球を鋭く振り抜いた。打球は右前で弾み、一気に2者が生還。貴重な先制適時打となり、六回1死二、三塁でも中前2点適時打。八回はダメ押しの右犠飛を放ち、自身今季最多5打点の大暴れだ。殊勲の働きに金本監督も賛辞を惜しまない。

 「主力のトリ(鳥谷)が一番、プレッシャーのかかる場面ですよ。(前の打者に)何してんのと思ったはずですよ。犠牲フライで1点取って俺に回せと。俺はいつもそう思っていたよ。現役の時。プレッシャーはハンパなかったと思うよ。本当によくやってくれた」

 昨季は143試合で打率・236、7本塁打、36打点。12失策と守備でも精彩を欠き、長年守り続けた遊撃の定位置を失った。オフは大阪市内の視覚トレーナーがいる専門機関に通い、視力の精密検査を実施。神戸市内の初動負荷トレーニング施設に行くなど、新たな可能性も模索した。

 3月3日の侍ジャパンとの強化試合でアストロズ・青木から声を掛けられた。「大丈夫か…?」。背中を押した早大時代の同級生は今、海の向こうで安心しているだろう。今季の鳥谷は三塁という新たな場所で、満点の輝きを放っている。

 4年ぶりの対広島3連戦3連勝、今季初の5連勝と黄金週間を駆け抜けたタイガース。首位の座は渡さない。復活を遂げた頼もしい男が猛虎を支え、けん引する。

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